チーズ・イズ・ジャスティス! トロトロにトロけたチーズは、口に入れた瞬間幸せをまき散らす魔性の食べ物。アダムとイヴが食べた禁断の果実はチーズだったのかもしれない。そう思ってしまうほどに、チーズは我々を魅了し、甘やかし、快楽に溺れさせる。まさに神の味だ。
ウマいそば屋を求めて色んな街を放浪する立ち食いそば放浪記。水道橋でそんなチーズがぶちこまれたそばを発見した。その名も「モッツァレラそば」! ……って、オイオイ神もビックリだわ!!
・スルーできなかった
そばにチーズだと!? 私(中澤)がどうしてもスルーできなかったこのメニューは、『名代 白木そば』という立ち食いそば屋の店頭看板に貼りだされていたものだ。
立ち食いそばもチーズも好きだが、合わせれば良いってもんじゃないぞ。そのありえない組み合わせから、実験的メニューかと思ったが、『モッツァレラそば(税込500円)』は看板の1番上を占拠している。普通に考えるとオススメメニューのポジションだ。
・注文してみた
その自信はどこから来るのか? 確かめてみたくなったので入店して食券を購入。カウンターで渡すと、「少々お待ちください」と店主は食券を受け取る。その流れるような所作は「いつも通り」と物語るようではないか。
ひょっとして人気メニューなのだろうか。いや、少なくとも、フラッとそば屋に入った人が注文するメニューとは思えないのだが……そんなことを考えているうちにモッツァレラそばが完成したようである。
そばには丸い4つの固形チーズが浮いていた。目の当たりにするとやはり違和感がある。溶け合うことなく分離したチーズとそばは、お互いを拒絶しているようにさえ思えてくるのだ。見た目は人類には早すぎる禁断のそば。はたして、その味はいかに?
・未知の領域へ
箸でそばを持ち上げるとチーズが「みょーん」と伸びてもつれるようについてきた。固形に見えたチーズはつゆの熱でしっかりトロけているようだ。いざ、未知の領域へ。そばと一緒に食べてみると……
あ、ウマイ。
和風料理の甘みとチーズの味が予想外にマッチしている。つゆはかつお出汁の風味を強く感じる味なのだが、その出汁の風味が良い感じにチーズとハーモニーを奏でているのだ。そばつゆとチーズがこんなに合うなんて!
さらに、チーズがボリューミーなためか、そばと一緒に食べるととてもまろやかで食べごたえがある。これは、ひょっとしたらカレーうどんに並ぶナイスコンビかもしれない。
・めちゃくちゃウマくなる方法
ただちょっともの足りなく感じるのは、味が「まろん」としすぎていて鋭さみたいなものがないところ。そこで、七味唐辛子をかけてみたところ……
めちゃくちゃウマイ……!!
舌に刺さるような刺激の後にやって来る豊潤なチーズのまろやかさ。「刺激 → まろやか → 刺激 → まろやか」と永遠に繰り返したい衝動に駆られる。ピザにタバスコをかけた時のように味にブーストがかかった。
見た目や食材のイメージから、このメニューの注文を躊躇してしまう人は多いと思う。しかし、七味唐辛子をかけた時の味は間違いなくオススメできる癖になるウマさ。食べる時は、恐れず七味をバサバサかけていこう。
・今回紹介した店舗の情報
店名 名代 白木そば
住所 東京都文京区本郷1-33-7
営業時間 11:00~21:00
定休日 不定休
Report:中澤星児
Photo:Rocketnews24.
▼定休日は月毎に店頭に貼りだされている