「カープ女子」という言葉が流行語となったのは2014年あたり。あれから6年、カープの人気は衰えるどころか今なお勢いを増している。カープとはもちろん、プロ野球の広島東洋カープのことだ。

2016年~2018年にかけてペナントレース3連覇。いまやカープは人気球団であると同時に、屈指の強豪球団でもある。そんなカープにも、長い冬の時代があったことを皆さんは知っているだろうか。

優勝はおろかAクラスすら遠かった、あの時代。清貧球団ならではの悲哀が漂った、あの時代。それでも熱く戦ったカープ戦士たちの足跡を、今回は「あるある」形式で振り返ることにしよう。

・カープの魅力とは

なぜカープを応援するのか。それはカープがひたむきに戦う球団だからだ。他に理由はない。

勝っているときも負けているときも、カープは常に団結して全力で戦う。どこか高校野球のようなノリを残す、泥臭い野球。それこそがカープの最大の魅力なのだ。

だが懸命に戦うチームだからこそ、負け続ける姿が痛々しく映る時代もあった。いわゆる第二次暗黒時代。1998年~2012年にかけて、カープは15年連続でBクラスに沈んだ。出口の見えない暗闇を彷徨い続けた。

それでも選手は必死に戦い、ファンは声援を送り続けた。苦しかった時代にはカープという球団のアイデンティティが凝縮されてもいた。

常勝球団となった今だからこそ、心に刻んでおきたい低迷期の記憶。個性派選手から珍事件、感動の名シーンまで。全てを詰め込んだ渾身の「暗黒カープあるある」、それではどうぞ!!

・「暗黒カープあるある」80連発

1. ミンチー、今日も元気に中4日で先発
2. 山内のUFO投法
3. 中国新聞のコラム「球炎」が手厳しすぎる
4. 5位が指定席
5. 4位だった年の「今年は頑張った」感
6. 新井のバット投げがカッコ良かった
7. 新井の応援歌もカッコ良かった
8. ドラフトにラッキーストライクを持参する達川監督
9. うっちーべっちー
10. 胃から汗が出る練習
11. 素手でノックを受ける野村
12. びっくりするくらいキャンプで故障者が出る
13. 逆走してディアスのHRを帳消しにする新井
14. 朝山東洋とかいうカープ愛にあふれた名前の選手
15. 右の町田、左の浅井
16. 極度の左腕不足
17. なぜか打撃の良い投手が多い
18. 勝率3位でもBクラスの怪
19. ブラジルの星、玉木
20. 巨人と広島を何度も往復する内田コーチ
21. 伸び悩む長谷川にやきもき
22. 二遊間を守る助っ人をやたらと連れてくる
23. 岡上、悲劇のお立ち台
24. 投球よりも打撃が凄かったブロック
25. 赤ゴジラ旋風にワクワク
26. 開幕から好調も「鯉のぼりの季節まで」との声
27. 木村一喜、山本浩二の焼酎を勝手に飲む
28. スラィリーの仲間を作ってあげても良いのでは……
29. 「5番レフト・前田」という風景
30. 内角攻めを強く推奨する安仁屋コーチ
31. 阪神に3試合で3-34とサンドバッグにされる
32. スポーツニュースでカープが全く話題にならない
33. 終わりの見えない石原 or 倉論争
34. 打撃妨害でサヨナラ負けを喫してしまう
35. 浅井の引退試合が素晴らしすぎた
36. 思いよ届け……黒田残留を願いスタンドが赤く燃えた
37. 永川の豪快な投球フォーム
38. 先頭打者を歩かせてからの四者凡退という伝統芸能
39. 赤いハンカチ王子
40. ルーキー「梵英心」の読み方が分からず困惑
41. 安心のシュール便
42. 尾形佳紀を忘れない
43. 隠し球の山崎
44. ベースを投げる監督がいる
45. ベースを埋める監督もいる
46. ブラウン監督が退場になったときの勝率が高い
47. 少しずつ太っていったブラウン監督
48. 謎のナックルボーラー、フェルナンデス
49. なぜか喜田剛の応援歌だけスクワットコールがない
50. 漫画のように曲がる林のスライダー
51. 林昌樹(広)、林昌範(巨)、林昌勇(ヤ)
52. (栗原のホームラン数-1)=台風の発生数
53. エースと4番が同時に抜けたときの衝撃
54. 黒田の穴を埋めるためにやって来たルイス
55. 黒田の穴なんて埋まらないと思ったが埋まった
56. 新井の穴を埋めるためにやって来たシーボル
57. 新井の穴は埋まらなかった
58. それでもファンに愛されていたシーボル
59. 東出と阪神の今岡は顔が似ている
60. 梅津、林、青木のサイドスロー3人衆
61. 悪球打ちの名人、末永
62. フィリップスの外野守備が草野球レベル
63. 「スコット」が3人同時に在籍していたことがある
64. 1イニングに15点取られてしまう
65. してやったりの西武ドーム、内野5人シフト成功
66. 9イニングで試合時間が2時間を切ったことがある
67. 久しぶりに帰ってきたベイルが劣化していた
68. 廣瀬のレーザービーム
69. 赤松のHRキャッチが何回見てもすごい
70. ついでに天谷のHRキャッチもすごい
71. チュークの背中にセミが止まる
72. 指名打者に投手を起用してしまう
73. 河内の復活に号泣
74. 江草と嶋の里帰りトレード
75. エルドレッドの調子の波
76. 遅咲きの左腕キラー、井生
77. ドラフト戦略の転換、少しずつ整う戦力
78. そしてつかんだ16年ぶりのAクラス
79. ついに低迷に別れを告げるときが来た
80. それを見届けるように、前田はバットを置いた……

以上だ!

・季節は巡る

長い目でプロ野球の歴史を見れば、どの球団も基本的に良い時代と悪い時代を往来している。ずっと勝ち続ける、ずっと負け続けるということは稀なのだ。カープもしかり。今は強いが、いずれまた苦しい時代はやってくるだろう。

それでもカープがひたむきに戦うチームである限り、そして声援を送り続けるファンがいる限り、カープという球団が無くなることは絶対にない。それが日本で唯一の市民球団、広島東洋カープなのだから──。

執筆:グレート室町
Photo:RocketNews24.