意外性にキュンとする。映画版ドラえもんのジャイアンは正直カッコ良い。たとえ、「見せ場でだけ善行をする性根が腐ったヤツは余計たちが悪い」というのが正論だとしても、私(中澤)は本能的に痺れてしまう。ギャップ萌えおそるべし。
立ち食いそば界においてもギャップ萌えは人気だ。例えば、そば屋だけど本格インドカレーを出す『よもだそば』や、そば屋なのに焼きそばが激ウマな『後楽そば』もその1つ。そして、この度、新たなギャップ萌えの立ち食いそば屋を発見した。
・そば屋の行列に近づいてみると
そのそば屋の名前は『かしわや』。三軒茶屋のキャロットタワー1階にある立ち食いそば屋である。若干オシャレな雰囲気も漂う三軒茶屋のキャロットタワーにおいて、下町感バリバリの立ち食いそば屋に行列ができていたので気になったわけだ。
しかし、どうやら行列ができているのは、そば屋本体ではなく隣の小っちゃい窓口の方みたいである。あれは一体? テイクアウト窓口? さらに、小さい窓に近づいてみたところ次のような看板が目に飛び込んできた。
「今川焼」──。
まさかの今川焼だった。
だが、そのギャップや良し! そこで、並んでみることにした。メニューは「小倉あん(税込120円)」「クリーム(税込120円)」「チキングラタン(税込200円)」「りんごクリーム(税込200円)」「焼き芋あん(税込200円)」か……チキングラタンってなんぞ!?
・チキングラタン今川焼の味
あまりにもビックリしたため逆にチキングラタンを購入してしまった。本当にグラタンが出てきたらどうしようかと思ったが、形はちゃんと今川焼してる。ただ、正直甘くない具が入っている今川焼は初めてだ。はたして生地と合うのだろうか?
ひと口食べてみたところ、カリッと焼かれた外側からは想像できないふわふわ食感が口の中に広がる。厚めの生地が香ばしくも少し甘い。そんな生地が美味しくて、さらに食べ進めてみると、チキングラタンがあふれ出してきた。
具だくさんのチキングラタンは、ホワイトソースの甘みが少し抑え目。そのかわりにチーズ味が強く出ていて、今川焼の甘みと意外にマッチしている気がする。っていうかこれウマくない?
・審議入り
頭の中で何人かの私が「これウマくない?」「ウマイ気がする」と会議を始める。だがしかし、そんな脳内会議の議長は判決を迷っている感じだ。それくらい新しい味なのである。例えるなら、外がカリッとした中華まんにチキングラタンが入っているかのような。
だがしかし、食べれば食べるほど大きくなる「ウマイ」のシュプレヒコール。そこで、議長もついに小槌をついた。トントン! 判決! 激ウマッ!!
・立ち食いそば界ギャップ萌えの巨星
これほどクセになる味なら行列も頷ける。なお、私が行ったのは木曜日なのだが、毎週水曜日と第2・第4日曜日には「白い今川焼」が販売されるらしいのでこちらも気になるところだ。
今川焼の味と懐の深さが半端じゃない立ち食いそば屋『かしわや』。また1つ、立ち食いそば界にギャップ萌えの巨星を見つけてしまった。三軒茶屋を散策する際は参考にしていただければと思う。
・今回紹介した店舗の情報
店名 かしわや
住所 東京都世田谷区太子堂4-1-1 キャロットタワー101
今川焼販売時間 11:00~20:00(材料が無くなりしだい終了)
定休日 無休
Report:立ち食いそば評論家・中澤星児
Photo:Rocketnews24.