「ドラクエウォーク」のヒットも記憶に新しい『ドラゴンクエスト』シリーズ。幻想的な世界観で彩られる壮大な物語はまさに大冒険、日本のゲーム史において外して語れない伝説のRPGである。11月27日は、そんなシリーズ8作目『ドラゴンクエスト8』の発売日だ!
2004年に発売された本作。実は本日で発売から15年を迎える。それを知った時、37歳である私(中澤)は遠い目にならざるを得なかった。「あの事件からもうそんなに経つのか……」と。
・『ドラゴンクエスト8』発売当時のこと
当時、私は大学4年生。『ドラクエ4』からシリーズのファンになった私だったが、前作の『ドラクエ7』はクリアする前にやめてしまった。なんとなくプレイしてる途中でダレてしまったのである。
「もう俺のドラクエ人生終わっちまったのかなあ……」とちょっと寂しい気持ちを感じていた。そんな時である。『ドラクエ8』が発売されるという情報が入って来たのは。
・事件
私の中でにわかに盛り上がるドラクエ熱。もう1度あの輝きを! だが、ドラクエ7のトラウマも相変わらず横たわっている。果たして、ドラクエ8は私の期待に応えてくれるのか? 揺れる気持ちの中発表されたのは……
リアルな等身の主人公がフィールドを走り回る姿。これまでドラクエの持ち味だった2等身キャラや2Dドット絵が影も形もなくなっていた。マジかよ……。
ドラクエのライバル的存在だった『ファイナルファンタジー』が、先にリアルな等身のゲームになっていたため、「ドラクエらしさが無くなった」とまで思った。こんなのドラクエじゃねェェェエエエ!
そういう声は私だけではなく、当時ドラクエ8の話をすると、デザインアリかなしか議論になったことを覚えている。ドラクエが2Dを捨てた。これはちょっとした事件だった。
・節目のゲーム
そして、ドラクエをプレイしなくなった私。少し大人の階段を上ると同時に、子供の頃にキラキラ輝いていたものがどんどん色あせていくような寂しさを覚えた。ドラクエだけではなく、私にとっても本作は節目となったのである。
そんな『ドラクエ8』は、日本で発売されたPS2用ゲームでは最多の出荷本数を記録する大ヒットとなった。脈々と続く伝統と、新しい試みが今のドラクエを支えているのかもしれない。
キャラがリアル等身のゲームも普通になった今日この頃。むしろ今なら抵抗なく楽しめる気がする。発売15年目の本日、伝統をぶっ壊した革命的なドラクエに乾杯。
執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.