ステーキの缶詰? イギリスのスーパーでその缶詰を見た時、私(中澤)はまずそう思った。パッケージにはゴロッとした肉。名前は「Stewed Steak」と書かれている。
そこで調べてみると、「Stewed」は煮込みという意味。直訳すると「煮込みステーキ」になるが、材料がビーフなので、これはステーキ肉のビーフシチューということだろう。
シチューと言えば、ヨーロッパの伝統料理。そこで、本場のビーフシチューを味わってみるべく、この缶詰を3ポンド(約400円)で購入したところ……千鳥の大悟みたいな味だった。
・開缶
日本でも馴染みのある家庭料理シチュー。にんじん、たまねぎ、じゃがいも、肉、色んな具材がとろとろ溶け合う味は旨みとコクのオーケストラだ。本場ヨーロッパのシチューはやはり日本の味とは違うのだろうか? 缶詰を開けてみると……
肉SUGEEEEEEEE!
缶詰の中からゴロゴロと転がり出してくる肉・肉・肉の嵐。このボリューム感にまず驚いた。材料の項目を見ると、どうやらこの缶詰は65パーセントが肉なようだ。全体の重さが392グラムなので、単純に計算したら250グラムくらいステーキ肉ってことか? 凄い……。
・食べてみた
早くも本場の迫力に圧倒されてしまったが、味の方はどうなのだろうか? レンジでチンしてスプーンですくってみると、余ったソースが絡みつきながらトロッと落ちる。トロみはかなり強めなようだ。そのまま食べてみたところ……
まろやかすぎるソースにワインの渋みが全面に広がる。そんなソースが存分に絡む肉を噛むとパサッとした食感が口を襲った。
こ、これは……
クセが凄い!
濃厚だが、舌を包み込むような優しさはなく味に角がある。これが本場の味……。とは言え、味的には食べられなくはない。日本人がイメージするまろやかさとはちょっと違うというだけの話だ。
・食べているうちに慣れるかも
それなら、392グラムもあるわけだし食べているうちに慣れるかもしれない。大丈夫。俺ならイケる。ステーキもまだ240グラムは残ってるし……とにかくスプーンを止めるな! スプーンを止めたらそこで試合終了だ!! うおおおおおおお!
クセが凄い!
クセが凄いッ!!
クセが凄いわァァァアアア!
──結局、食べ終わるまで慣れることはなかった。お腹いっぱいである。それほどに、本場のクセがあふれ出すこの缶詰。もはや千鳥の大悟なみのクセの強さである。
・成り上がり
ちなみに、私が千鳥の漫才で一番好きなのは2003年頃M-1やオールザッツ漫才で披露していた「幼馴染のさっちゃん」だ。千鳥……売れたなあ。この缶詰を食べていると、千鳥の成り上がりに想いを馳せずにはいられない。
缶詰はただの保存食ではない。そこにはそれぞれの物語が詰まっている。今回もそんな物語を知ることができた。400円は非常に安いと言えるだろう。
って缶詰関係ないやないか! もうええわっ!! ありがとうございましたー。
Report:缶詰研究家・中澤星児
Photo:Rocketnews24.