世界初にして、おそらく世界最後──。そんなラーメンが誕生した。そう、それこそが4日間に渡り限定1000杯のみ振る舞われる『ピラニアラーメン』だ。ピラニアとはアマゾン川などに生息し、肉食魚として知られるあのピラニアのことである。

ピラニア……ラーメンだと? それだけでもイヤな予感がするのに、このピラニアラーメン、なんと1杯5500円だというから驚くしかない。ピラニアも食ったことがなければ、5500円のラーメンも食ったことがねえ! 逆に行くしかあるまい……!!

・エイプリルフールきっかけで誕生

2019年9月20日~23日まで、1日限定300杯(20日のみ100杯)限定で登場するピラニアラーメン。そもそもはイベント会社がエイプリルフールに「世界初のピラニアラーメン誕生!」と告知したところこれが大反響を呼び、紆余曲折を経て実現に至ったという。

今回、取材を申し込んだところ、快くOKの返事が。味はもちろんのこと「なぜこんなに高いのか?」にもズバリ切り込みたいところだ。遠慮なく噛みつくぜ……ピラニアだけにな

というわけで、やってきたのは会場となる浅草の「NINJA CAFE & BAR ASAKUSA」である。すると、店に入るやいなや……


ピラニアおったァァァアアアアアア!


すげえ、マジでピラニアだ。この世に生を受けてから41年、こんな至近距離でピラニアを見たのは初めてかもしれない。生ピラニアは思ったよりもジャンボサイズで、トレードマークの歯は想像以上にギザってる。水中なら勝てる気がしない……陸上なら俺の圧勝だけどな!

・ピラニアラーメンが出来るまで

それはどうでもいいとして、聞くところによるとピラニアラーメンは完成までにかなりの試行錯誤があったらしい。当初は生のピラニアでダシを取ったものの「食えたもんじゃないスープ」だったそうで、結局は “ピラニアの煮干し” から作り始めることになったという。

塩漬けと天日干しを経て完成したピラニアの煮干しを、レモンなどと煮込んでようやくたどり着いたスープ。その上に乗っかるのが「ピラニアの丸揚げ」である。スープも具もピラニア尽くしということは『ピラニアラーメン』の名に偽りはない。

・高い理由も判明

また「どうしてこんなに高いんですか?」と聞いてみたところ、以下のような返答をしてくれた。


ピラニアがとんでもなく高いんです(泣)。まずアマゾン川で捕ったピラニアの下処理をしてもらうのにお金がかかって、それをマナウスという街に運ぶのにお金がかかり……。マナウスで冷凍処理をするんですが、そこでもお金が……。

さらにブラジルからアメリカ経由で日本に来るんですが、全てのポイントで検疫を受けなければいけないんですよ。日本に到着する頃には完全な高級魚になってしまうんです(涙)」


……なるほど。ちょっと納得した。ちなみに具のない「ピラニアラーメン」自体は1杯3000円で、トッピングの「ピラニアの丸揚げ」が2500円となっている。だがここまで来たら “トッピング無し” なんてことは考えられない。トッピング付きのピラニアラーメンを注文すると……!


うむ、マジでピラニアラーメンだ。


油で丸揚げにされてもなお、この凶暴なフェイス──。とてもじゃないが「おいしそう☆」とは思えない。だが食ってやるぞ、ピラニア! たぶん最初で最後のピラニアーーーッ!!

・気になるお味は……

まずスープだが、川魚にありがちな泥臭さなどは一切なかった。そもそもピラニアは白身魚。レモンで煮込まれているせいか、あっさりとした味わいのスープである。また、薬味のネギ・生姜・レモンの皮もいい仕事をしていた。


お次にピラニアの丸揚げだが、ハッキリ言って悪くない。スープと同様に泥臭さや生臭さはなく「淡泊な白身魚」といった印象だ。ただし、食べられるところは少ない。骨がかなり多いので、ピラニアでお腹をいっぱいにしようと思っても無理だろう。あくまでピラニアはトッピングであり、シンボルだと思えばいいハズだ。


というわけで、ピラニアラーメンは普通においしい一杯であった。5500円という価格設定も事情を聞けば納得できるし、そして何より「一生に一度きりのピラニアラーメン」である。ピラニアラーメンが食べられるのは4日間だけ。気になる人はぜひチェックしてみよう。

取材協力:Holiday Jackイベント「ピラニアラーメン」
Report:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.
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▼気になる人はぜひチェックしてみよう。

▼ピラニアラーメン……! たぶん一生に1度だけの体験だ。

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