2021年12月10日。筆者はこの日、池袋のサンシャイン水族館に朝早くから並んでいた。目的は福袋の予約である。お値段は税込み5500円。期間は12月10日と11日の2日間のみだ。

販売総数は150個で1人最大で3個まで。今年は80個に「当たり」が入っているため注目度が高い。ダメかと思う瞬間もあったが辛くも1つ確保し、元旦に受け取って開けてみたところ……「当たり」が入ってたァァァアアアアアア!!!

・圧倒的競争率

はっきり言おう。年パス無しで福袋をゲットするのは、かなり敗色の濃いギャンブルだ。年パス保持者は優先して入ることができるため、福袋争奪戦にかなり有利。

ちなみに筆者は年パス無しだが、年パス無しの中では3番目に並んだのでイケると思っていた。しかし筆者が整理券的なものをゲットできた時点で、残りはもう11個だった

後ろにはまだ並んでいたが、大半が買えなかったのは言うまでもない。というか、もし先に入った年パス組みの人たちの中で3セットまでフルに買う人が多ければ、筆者もまた買えなかったと思われる。

というわけで、来年に向けてどこかで年パスを買おうと思っている。福袋の購入時には入場チケットを買って館内に入るのが必須となるので、一般入場チケット2枚分な年パスを買ったところでたいした問題ではないからだ。


・中身は

そんな『サンシャイン水族館オリジナル福袋2022』だが、中身のボリュームはすさまじかった。細かく計算していないが、間違いなく5500円以上は入っているだろう。というわけで、中身は以下の通り。

ウミガメのパズル。


さかなくんのトイレットペーパー。


深海魚のイラスト多めな「海のぐるぐる貯金箱」。


ペンギン親子のぬいぐるみ。


カワウソ? のぬいぐるみ。たぶんコツメカワウソなのではないかと思うが、タグ等が無いのでわからない。


袋にまとめられた、沢山の雑貨。クリアファイルや筆箱、ジッパーバッグ、和三宝糖など色々入っていた。


貝殻が沢山入ったデカい籠。

という感じで、水生生物が好きなら、だいたい嬉しいものだろう。何を隠そう筆者も実はアメリカで海洋生物学を修めていた身。ピラニアとナマズのクリアファイルは特に気に入った。


・あたり

そして最後に最大級にビッグなアイテムが! そう、150個中80個入っているという「あたり」の一つを引き当てたのだ! それが……


_人人人人人人_
> エイの歯 <
 ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y ̄


キタァァァァァァアアアアアアアアアアア!!!!! 正確にはナルトビエイの歯だそうだ。


ちなみにこのピンクのはただの入れ物で……


中に歯が入っている。


・ナルトビエイ

ナルトビエイとは、主に中国、韓国、台湾、そして日本の関西辺りまでの沿岸部に生息するエイだ。たぶん館内の一番デカい水槽で、よくガラスに張り付くように泳いでいるアイツだろう。


フロント部分が鳥の嘴のようにとがっているのが特徴的だが、サンシャイン水族館には同じような形状をしたのがもう一種いた気がする。それはマダラトビエイで、名前の通り白い水玉模様があるヤツだ。ナルトビエイは柄が無い。

養殖されている二枚貝もバリバリと食べてしまうため、出没する有明海などではメチャクチャ嫌われている。放っておくと被害が出るので駆除されており、人間との関係性はあまり良くないと思う。

ちなみにナルトビエイの学名は Aetobatus narutobiei と、そのまま和名が入っている。元々は別のAetobatus flagellumというトビエイの仲間と同種とみなされていたが、ちょっと前に別種に分けられたのだ。

が、日本国内ではAetobatus flagellumもナルトビエイと呼ばれていたので、「ナルトビエイ」と言った場合、それが厳密に narutobieiなのか flagellum なのかはイマイチわからない。

まあその辺はこの際どうでもいいだろう。重要なのは、今ここにナルトビエイの歯があるということだ。九州や瀬戸内海沿岸なら、駆除されてる所に行って貰ってくればいいのだろう。でも、関東ではなかなかお目にかかれない。

これは良いものを手に入れた。筆者は色んな海洋哺乳類の baculum という骨を主にコレクションしているのだが、この歯もその横で保管しておこうと思う。ちなみに他の「あたり」は、カワウソと触れ合える権利だとか、餌やり体験などだったようだ。

個人的には餌やりや触れ合いよりも、こういう後に残るものの方がテンションが上がる。ペンギンの羽とか欲しいしなぁ。来年も全力で狙っていこうと思う。

執筆:江川資具
Photo:RocketNews24.
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