技術は日々進化している。その代表的なものがスマートフォンではないだろうか。とくに日本では馴染み深い「iPhone」は、1年ごとに新しいモデルが登場し、気がつけば2年前くらいのものはすでにひどく型落ちした印象を受ける。

1年経ったら機種変更するのが当たり前。しかし以前は型が古くなっても、大事に使っていた気がするのだが……。私(佐藤)は最近、引き出しの奥にしまってあった古いiPod Touchを発見した。

そこに収まっていたデータを確認したところ、必死にこの端末を使いこなそうとしていた形跡を発見した。

・第4世代のiPod Touch

現在(2019年)発売されているiPod Touchは第7世代だ。スペック的にはiPhone7と同等と言われている。私が引き出しから発見したのは、iPod Touchの第4世代。当時ガラケーを使っていた私はこの第4世代を購入して、スマホ代わりに使っていた。なぜiPhoneにしなかったのかというと、当時ドコモがiPhoneを取り扱っていなかったからだ。

改めて形状を確認してみると、この端末は近頃のスマホと比べると、ビックリするほど小さいことがわかる。ディスプレイサイズ3.5インチ。今のスマホがデカすぎるのか、それともこれが小さすぎるのか。


手の小さい私にとっては、iPhone SEサイズがベスト。このiPod Touchのサイズも悪くない。そもそも今のiPhoneのサイズはデカすぎて、本当に持ちづらい。今のテクノロジーを、小さい頃の端末サイズで提供してくれると良いんだけどなあ……。


・全部懐かしい!

発見した時は充電切れだったのだが、幸いなことに30pinのドックコネクタケーブルを持っていたので、充電することができた。通電すると、「ピロリ!」という懐かしの充電開始を知らせる音がする。まさかこの当時、イヤホンジャックまでなくなってしまうとは、思ってもいなかった。


充電中の画面が懐かしい!


起動すると、このアイコン表示、懐かしい!


ミュージックアプリの曲順表示懐かしい!


カメラアプリのこのシャッターの感じ、懐かしい!


・ちょっとした写真から

この端末で撮影していた画像を見ると、画質は芳しくないものの、当時のことを伺い知るには十分なほど情報が残っていた。たとえば、編集部が今の建物に入ったばかりの様子や。


自分なりに必死に仕事をしていた名残など。


・一生懸命何かを作ろうとしていた

なかでも自分が驚いたのは、こんな小さな端末で、楽曲を制作していたことだ。音楽制作アプリについて知ったばかりだったので、曲を作れることがうれしくて、アプリをバンバンダウンロードしてたっけ。


当時作った曲が、音楽共有サービスの「Sound Cloud」に残っていた。



曲のクオリティはおそろしく低いのだが、それでもあれこれ考えて工夫をしようとした痕跡がうかがえる。何より、アプリによっては鍵盤のタッチすら困難なほど、表示が小さくなってしまうものもあったからだ。よく、こんなので作ったな、自分。


・使いこなせない高機能

技術は進化したのに、自分の能力がそれに一向に追いついていないのはどういう訳だ? 利便性向上も結構なことだが、過去の自分より前進していないのなら、便利なだけの道具に満足するべきではないなと、改めて思った。


使いこなせないほど機能を備えた最近のスマートフォン。できれば、使えない機能は省くようなサービスを提供して欲しい。どれだけ写真を美しく撮れたとしても、画質に関係なく、何を撮ったかが重要なのではないかと思った次第だ。

Report:佐藤英典
Photo:Rocketnews24