暑い、暑すぎる。大げさではなく脳が溶け出しそうなほど暑い。どこの誰だかわからないが、エアコンを作ってくれた人、本当にどうもありがとうございます。
さて、うだるように暑い夏の定番といえば「怪談」である。昔の人は身の毛もよだつような怪談話で凉をとっていたようだが、今回は記者が子供の頃に聞いて「1番短くて1番怖かった幽霊の話」をご紹介したい。
・子供の頃に聞いた怪談
この話を誰から聞いたのか、記憶は曖昧だ。私、P.K.サンジュンは今でこそ そうでないものの、幼い頃は人並みに怪談や幽霊が怖かった。言い方を変えれば、子供の頃はそれだけピュアだったのだろう。
そんなピュア少年の心に突き刺さり、今でもちょっぴり怖いのが今回ご紹介する怪談である。もしかしたら聞いたことがある人もいるかもしれないが、以下でさっくりとお伝えしたい。
その人は金縛りに遭いやすい人でした。
また、特に幽霊を信じていない人でした。
ある晩、その人は金縛りに遭いました。
その人は「またか」と思い、心の中でこう唱えました。
「はいはい、南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏……」
すると耳元で……
「そんなの効くかーーーー!」
……と誰かが叫ぶ声がしましたとさ。
記事を執筆するうえで、いつ誰から聞いた話なのか何度も思い出そうとしているのだが、やはり思い出せない。ただ「そんなの効くかーーーー!」を聞いた瞬間のサンジュン少年は、心の底から恐怖を覚えた。まさか「南無阿弥陀仏」が効かないなんて……!
・大人になってから
それから月日が流れ、私が20歳の頃である。いま思い出しても不思議なのだが、その頃の私は「金縛りグセ」が付いていた。1週間に1度くらいのペースで金縛りに遭い、ちょっとウトウトしただけで「あ、今日は金縛りが来る」とあらかじめわかった(今でもたまーにある)。
その頃になると、子供の頃ほど幽霊や怪談が怖いとは思っていなかったが、それでも気味は悪い。金縛りに遭っても意識はあるので、当然「そんなの効くかーー!」の話が頭をよぎる。というか、大人でも耳元で「そんなの効くかーー!」はキツイ。なので当時の私は金縛りに遭ったら、
「すみません! すみません!」
……と心の中で謝り倒していた。誰に対して謝っていたのかはよくわからないが、とりあえず腰を低くして謝っておけば幽霊も意地悪をしてこないだろうと思ったのだ。この作戦が功を奏したのか、これまで1度も「そんなの効くかーー!」は経験していない。
とにもかくにも、夏は怪談や心霊現象がよく語られるシーズンである。そして万が一あなたが金縛りに遭ったら、とりあえず心の中で謝り倒してみよう。きっと「そんなの効くかーーー!」とは言われない……ハズだ。
執筆:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.
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