2019年8月6日、JTが消費税率10%への引き上げに伴い「1箱あたり10円の値上げ」を発表した。いったいコレで何度目の値上げなのか? 喫煙者たちは盛大にブチギレている……と言いたいところだが。

記者も含めた当サイトの喫煙者たちは、驚くほど今回の値上げに動じていない。値上げに次ぐ値上げにもかかわらず、なぜ我々の心はこんなに穏やかなのか? 話を聞いたところ、悲しく切ない愛煙家たちの生きざまが垣間見えた。

・115銘柄が値上げへ

今回、JTが小売定価改定の申請を行ったのは、紙巻タバコ102 銘柄、葉巻タバコ3銘柄、パイプタバコ3銘柄、刻みタバコ3銘柄に加え、加熱式タバコ「プルーム・エス」4銘柄の計115銘柄。つまり、一部を除いたほぼ全ての銘柄が値上がりの対象となる。

これまでタバコの値上がりが発表されると、喫煙者たちは「ふざけんな!」「またかよ!」「いい加減にしろ!」とブチギレていたが、なぜか今回の発表については冷静な喫煙者が多い気がするのは気のせいだろうか? 少なくとも記者の周囲の喫煙者たちは動じていない様子である。

・なぜ動じていないのか?

果たして、なぜ彼らは今回だけここまで冷静でいられるのか? 何人かの喫煙者に話を聞いてみることにした。


「気にならないな。タバコもさ、値上げするならドンと値上げしろって思うんだよ。10円くらいなら蚊に刺されたうちにも入らない。まあ、こういう感覚になってること自体がJTに飼いならされてる証拠なんだろうけど」

「全然余裕。気にならない。というか、10円でいいんですか? って感じ。ほら、最近は食料品も日用品も値上がりしてるじゃん? 俺たちは値上げという試練に何度も打ち勝ってるからいいけど、そうじゃない人たちの方を心配しちゃうよね。いずれにせよ10円くらいで右往左往する喫煙者はもうとっくにタバコをやめてるんじゃない?」

「気にならないですねー。10円値上がりしたところで、自分にとってはその価値がありますから。ちょっとマヒしちゃってるかもですけど、10円でいいんだ? って思いましたよ」

「正直なんとも思わない。ほら、最近はPayPayとかでタバコも安く買えたりするじゃん? 値上がりしても、そういう割引きで何とかなる気がするんだよね。特に10円くらいなら気にならないかなー」


まとめると、これまで喫煙者たちは相次ぐ値上げで「値上がり耐性」が付いており、10円くらいの値上げならビクともしないくらい鍛えられているようだ。1人が語っていたように、10円の値上げで弱音を吐くような喫煙者は、もうとっくにタバコをやめているに違いない。

というわけで、少なくとも記者の周囲には、今回の値上げ発表に動じている喫煙者は1人もいなかった。逆説的に言うと、今回のように小刻みに値上げをしていけば、値上げを理由に禁煙する喫煙者の数を最小限に抑えらえる……のかもしれない。

参照元:JT「消費税率引上げ等に伴うたばこ製品の小売定価改定の認可申請について」(PDF)
Report:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.