2019年7月28日に、みずがめ座δ(デルタ)流星群が極大をむかえる。毎年決まって7月半ばから8月終わりごろに活動する流星群。夏休み始まって早々の流星群ということで、都会よりも星が見やすい帰省・旅行先で……とか考えている方もいるだろう。

懸念されていた台風5号が温帯低気圧に変わり、これなら見ることができるのでは……と思った矢先に、今度は台風6号という悲劇。でもあきらめるのはまだ早いぞ! なぜなら……

・ピーク後も見える

ピーク後も続く。もう一度言うぞ。ピーク後も活動が続くから大丈夫だ。2019年の極大こそ7月28日だが、その後一気に見えなくなるわけではない。なんと8月半ば以降まで活動は続くのだ。

前向きに考えるなら、極大付近で台風が来たのはそう悪くないかもしれない。なぜなら、台風が過ぎたらほぼ間違いなく晴れるから。台風一過というヤツである。

さらに、国立天文台によると8月1日には新月となるもよう。これは月光の影響が8月1日の前後2日程度は無くなることを意味する。台風が空気中の塵や雨雲も一緒に持ち去り、月の明かりも雲も無い、流星観測に理想的な澄み切った夜空が訪れる可能性がワンチャン残っている。

例え台風がイマイチ空気を読まない感じでも、先に述べたとおり流星群は8月半ば以降まで活動し続ける。とにかく7月の終わりから8月は、夜空が晴れたらそのつど流星を探してみるといいだろう。

・実はやぎ座とペルセウス座も

喜ばしい情報は他にもある。海外サイト「American Meteor Society」によると、ペルセウス座流星群(8月半ばの極大日に詳しくお伝えする予定)もすでに出現時期に入っているそうだ。それだけではない。こちらは記事の予定は無いが、やぎ座α流星群も活動期となっているぞ!

つまり3つの流星群がダブって出現するという、かなり賑やかなことになっているのだ。何か特別な目的が無いかぎり、どの流星がどの流星群のものかを判別する必要など無いだろう。

一応メインとなるみずがめ座は南の方角だが、観測の方角についてはまったく気にすることなど無い。夜空全体の、なるべく暗い方向を打ち上げられた魚のように無心で眺めるのが流星観測のコツ。

旅行や帰省で明るい都市部から離れているなら、難易度はかなり低いはずだ。もし天の川がはっきり見えるレベルの恵まれた環境なら、1時間も粘ればだいたい流星をいくつか見ることができるのではなかろうか。観測の際には、水分補給や虫刺され対策を万全にして楽しんでほしい。

参照元:国立天文台American Meteor Society(英語)
執筆:江川資具
Photo:Wikimedia Commons.