そのカレー屋の看板には「一部の人に理解される」と書いてあるらしい。神奈川県横浜市にある「サリサリカリー」というお店だ。日本ではまだ浸透していないパキスタンカレーの専門店なのだという。
それにしても、そんなに人を選ぶカレーなのだろうか。かなり慎ましい文言に思える。「地球人類がひれ伏す味」などと書かれるよりはいいが、いずれにせよお店の看板としては独特だ。何より味が気になる。激しく興味が湧いてきたので足を運んでみることにした。
・いろいろとすごいお店
東急東横線の東白楽駅から徒歩5分の距離にそのお店、「サリサリカリー」はある。
そして例の看板もあった。本当に「一部の人に理解される」という文字列がキレ良く踊っているし、何なら店名よりもしっかり目立っている。実際に見ると堂々とした潔さすら感じる。
さらにドアの脇の看板には「好奇心から始まることもある」と意義深い言葉が記してあった。この言葉だけなら「意義深いなぁ」で終わるところだが、先の文言と組み合わさると、「あなたが “一部の人” になれるかどうかは、好奇心を持てばわかる」と言われている気がした。
一度そのように考えだしたら、入店意欲のインフレが止まらなくなっていた。このお店、慎ましさと同時にしたたかさも併せ持っている。
店内に入ると、カレーのメニューはサラダとチャイがセットになった「スリーコースセット(1200円)」のみと判明。入店がすなわちそのメニューの注文を意味するらしく、着席しても店員さんには特に何も聞かれなかった。一貫して独特指数の高いお店だ。
紙ナプキンにまで刻まれた「一部の人に理解される」の文字をじっと眺めながら、セットの到着を待つ。
やがてやってきたカレーは、筆者にとっては今までに見たことのないものだった。
普通のルーとは違って汁気が少なく、カレー色をした具材がライスに乗っているような見た目だ。中でも目につくのは、ほろほろにほぐれた鶏肉である。確かに一風変わったカレーだ。果たして自分はこのカレーの “適合者” になれるのか。
そんな風に思いつつスプーンですくい、口に含んでみたところ、スプーンを口に突っ込んだまま手が止まった。見た目と同じく味も未体験のものだった。こんなにすっきりとしていながら濃厚なカレーは初めてだ。
たるみがないと言えばいいのか、だらけていないと言えばいいのか。調理に水は使わず、野菜から出る水だけで煮込んでいるとのことで、濃縮されたナチュラルな旨味がダイレクトに舌に響く。複雑な要素が詰まっているはずなのに、シャープにまとまっている。
無水だからといってパサパサしているわけでもない。皿全体に染み出ている油分や、繊維状になるまで煮込まれた柔らかな鶏肉も相まって、食感自体はしっとりとまろやかだ。
そしてオイリーだからといってくどくもなく、辛さもほどよく食べやすい。スパイスの風味豊かさに埋もれない塩味が基調となっているおかげか、飽きずにどんどんスプーンが進む。最後の一口まで存分に堪能することができた。
セットのサラダは酸味が効いていてカレーとの相性は抜群だったし、食後にいただいたチャイも優しい甘さで口の中を落ち着かせてくれた。総じて絶品と言うほかない。
・“一部の人” とは
退店後、「これで自分も “一部の人” の仲間入りだ」と思いかけたものの、「むしろこのカレーを理解できない人の方が一部なのでは」とも思えてきた。それほどに美味しいカレーだった。香りに若干クセはあったが、味わい深さの方がはるかに勝る。
良い意味で「看板に偽りあり」なのでは……一瞬そう考えたが、このお店はこれでいいのかもしれない。外観もカレーも全て含めて、この独特さがあってこそサリサリカリーというお店なのだろう。そしてそこまで理解して初めて、真の “一部の人” になれるのかもしれない。
・今回紹介した店舗の情報
店名 サリサリカリー
住所 神奈川県横浜市神奈川区西神奈川3-9-2
営業時間 月~金 11:30~14:00、17:00~21:00 / 土・日 11:30~21:00
定休日 木曜日
Report:西本大紀
Photo:Rocketnews24.
▼独特の看板
▼意義深い言葉
▼一風変わったカレー
▼結局のところ絶品
西本大紀









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