SIGMAといえばレンズでお世話になっている方も多いでしょう。いつもヤバいスペックのレンズを、純正よりもはるかに安く提供してくれるありがたいメーカーです。

でも、SIGMAってカメラメーカーとしてもヤバいですよね。独自のFoveonセンサーとか。SDやDPシリーズでは外見こそ普通でしたが、dpやsd Quattroではもうなんか形からヤバいし。そんなSIGMAの新型「SIGMA fp」が発表されました。生中継で見てましたが、やっぱりヤバい仕様ですね

・世界最小・最軽量

まずは概要から。高さ69.9ミリ、幅112.6ミリ、奥行き45.3ミリで、重さ370グラム。めちゃくちゃ小さいですよこれ。発表会のスライドではパスポートよりも小さいことを見せていましたが、本体だけならポケットに入ってしまう。もちろん防塵・防滴です。

マウントはLマウントということで、フォトキナで発表されたライカ、パナソニック、シグマの3社によるLマウントアライアンスの恩恵を受けまくれます。先に出ているライカSLや、LUMIX S1用のレンズをそのまま使えます。

さらにマウントアダプターもありますから、出たばっかりなのにレンズに困らない。Lマウントの強みですね。発表会に登壇していた山木社長もアダプターに言及していましたので、最初からアダプターでレンズ遊びをする層もターゲットにしているのでしょう。

・裏面照射型ベイヤーセンサー

センサータイプは2460万画素の、裏面照射型ベイヤーセンサーでローパスフィルターレス。これについては賛否両論でしょうか? SIGMAのカメラといえばFoveonセンサー。フルサイズFoveonまだかよ……! って思う人はめちゃくちゃ多いと思います。

でも、このセンサーには出てるスペックだけじゃわからない何かがありそうな気がするんですよね。だって変なもの(いい意味で)しか出さないSIGMAですよ? なにも無いわけがありません。

もう1つ描写の良さを期待させるのが、「フルタイム電子シャッター」っていう変態仕様。あ、ついに言ってしまいました。変態って。本当はタイトルの「ヤバい」も「変態」にしたかったんですよ。だって変態カメラじゃないですか。

電子シャッターということで危惧されるのが、動きの早い被写体に対するローリングなどの歪み。これは「多くの場面では問題なく撮影」とはフォローしつつも、社長自ら「発生します」と認めていました。

でも電子シャッターって、無音とか以上にシャッターブレが無いじゃないですか。2460万画素というのは十分な画素数ですが、超高画素ではないためそこまでブレに神経質になるものでもないと思います。それなのにフルタイム電子シャッター。数字以上のなにかがあるのでは……? とか思いたくなります。

・SIGMAらしからぬISO感度

さらに変態っぽさをかもし出しているのが、「SIGMA fp」のISO感度。常用はISO100~25600。ついにSIGMAのカメラがISO25600! ……と感動するのはまだ早いです。

拡張で、なんとISO6、12、25、50。高感度側はISO51200、102400までやれます。それにしてもISO6とか初めて見ました。そこまで低感度に需要あったのでしょうか? いや、嬉しいですけど……でも普通は切り捨てるところ。

SIGMAのこれまでのデジカメは、ISO100~200くらいでFoveonセンサーが鳥肌モノのヤバい描写をブチかましてくれました。しかし、それ以上の高感度は無かったことに……的な感じでした。

それがいっきに拡張込みならISO6~102400です。なんというSIGMAらしからぬカメラ。それでもSIGMAらしい変態さがにじみ出ているところが最高にSIGMAです。文章としては意味不明ですが、きっとわかっていただけると思います。

・ファインダーって使いまわせる?

最後にもうひとつ気になるのがアクセサリー。特にファインダーです。コンセプトムービーにも一瞬写っていますが、シグマの公式インスタグラムにファインダーを装備した状態と思われる画像がアップされています。



これは専用の外付けファインダーなのでしょうか? 仕組み的には dp2 Quattro 用のLCDビューファインダーと同じものに見えます。使いまわせたりするのでしょうか? サイズ的に無理かな?

アクセサリー面でもう1つ気になるのが、「SIGMA fp」の背面モニターと平行に組み込まれている、なにやらレールのような機構。全く見当違いかもしれませんが、ここにいろいろくっつけるみたいな仕組みじゃないんですか?



ムービー的にはこのレールに何かが装着されている様子は確認できません。あくまで外付けのケージを介し、外付けパーツを合体させまくって機能を拡張しています。でもあの怪しいレールみたいなの、なにかある気がするんですよね……。

今はまだ不明な点も多いため、続報を待つしかないのが歯がゆいところ。でもこうやって勝手に想像してるときって一番楽しいですよね。とりあえず「SIGMA fp」の動向からしばらくは目が離せなそうです。

参照元:SIGMA fpYouTubePR TIMES、Twitter @Sigma_Japan、Instagram @sigmaglobalvision
執筆:江川資具
Photo:株式会社シグマ

▼発表会の様子はこちらから

▼コンセプトムービー。シネレンズ装備しまくっていることからも、動画にかなり力を入れているようです。