私(佐藤)が迷惑LINEアカウントを追いかけ始めたのは、ちょっとした遊びのつもりだった。botが相手の場合は機械的な返答に対して1人相撲をとるつもりで。運よく人間が相手になった場合は、こちらのふざけた言葉やスタンプに どう反応するのかを見て楽しんでいた。

新たな迷惑LINEアカウントと遭遇するためにメールやアプリなどを追いかけて行った結果、Twitterにたどり着いた。普段から慣れ親しんだTwitterのはずなのに、裏アカウントに代表されるような “闇” の部分を見た時に、私はとても怖いことが起きていることに気付いたのである

初期段階の調査ではあるが、すでに闇にひそんだ大きな危険を感じ取っているので、その一部を紹介したい。

・QRコードを自発的にさらすアカウント

Twitterの裏アカウントを装って LINEに誘導するやり口については以前の記事でお伝えした。自らのIDのQRコードを公開し、LINEで友達登録させたのちに、怪しい課金制の出会いアプリに引き込むやり方である。


「裏アカウント」は悪徳業者にとって便利なツールだ。Twitterのアカウントを作るにはメールアドレスさえあればいい。フォローされていない人にDMを送るには2段階認証を行う必要があるが、そうでなければ、いくらでもアカウントを作ることができるといっても過言ではないだろう。

その仕組みを利用し、裏アカウントと称して好き放題やっているのである。先に挙げたLINEへの誘導は序の口だ。


・やり口

Twitterの裏アカウント事情に関して、調査を開始してから早々に、条件付きで出会いを売る人物がいることを確認した。条件については後ほど説明するが、出会いを売る人物が不特定多数のTwitterユーザーに呼びかける内容はおおむね決まっている。


1.アカウントをフォロー
2.特定の投稿をリツート
3.特定の投稿をいいね


ほとんどのアカウントがこれをきっかけにして、フォローしたユーザーにDMを送信してくる。この流れにのっとって、あるユーザーをフォローしたところ、1通のDMが来た。


相手「フォローありがとうございます♪ DMおまちしています!」


そのアカウントのプロフィールには特に説明めいたものは綴られていない。固定ツイートに出会いをほのめかす内容が記されており、これを誘い文句にして他のユーザーにフォローを促している。


・条件付きで出会いを誘う

「こんにちは」と返事を返すと、相手はすぐに条件を提示してきた。こちらが何者であるかも意に介さないような素振りで、ほがらかに金銭の条件を示してきたのである。


相手「DMありがとうございます! ■■■です!! ちゃんと読んでもらえると嬉しいです! ■■■■■■■最初の一度目だけ条件があります。。■■■■■■■■■いろいろお金かかっちゃうので■■■■■■ 4まんえんだけお願いしたいです。■■■■■■■■■あれば3まんえんでも大丈夫です!」


金額だけ見れば、そう安いものではない。お互い名前も声も知らない。まして1度も会ったこともない。それでこの金額。正常な判断のできる人間なら、「怖い」と感じるはずである。このDMは次のように続く。


相手「仕事でもプライベートでも行きなれてる新宿で待ち合わせお願いします!! この条件でお会いできる優しい人としかお会いしませんので無理でしたら返事はいらないです!」


敵は割と近くにいる……。それがまた怖さを増長しているように感じた。これはまともな話ではない。即座にそう判断した私は、次のように伝え、返事を先送りすることにした。


佐藤「なるほど。諸条件承知しました。今週はちょっと仕事で立て込んでまして、週明けに改めてご連絡させて頂ければも(と)思います。大丈夫でしょうか?」


・関わってはいけない

相手はこれを承諾したところで、この話は終わりだ。裏アカウントの匿名性を利用して、若い男性や女性に成りすましたり、出会いをほのめかして金銭を要求するなどが、Twitterの闇で蔓延している可能性がある。もし仮に、この手の誘いを受けたとしても、絶対に乗ってはいけない。どんな危険な目が待ち構えているかわからないので、速やかに相手のアカウントをブロックすべきではないだろうか。

参照元:Twitter
Report:迷惑LINE評論家:佐藤英典
Screenshot:Android「Twitter」