これまで迷惑LINEアカウントと熾烈(しれつ)な戦いを繰り広げてきた。残念ながら、挑戦を繰り返しているものの、私(佐藤)は勝利したことがなく、ほぼ毎回惨敗している状況だ。だが、諦めない! いつか勝利すると確信している。

ところがひとつ問題が発生した。私の元に迷惑メール経由で来る迷惑LINEアカウントは、どうやら決まった相手からしか来ていないと判明。そこでさらなるツワモノを求めて、怪しい「ID交換」アプリをインストール

そこで1人の相手から、LINEアカウントのQRコードの画像を入手することに成功した!

・サクラ大歓迎!

ID交換アプリとは、LINEやカカオトークなどのメッセージアプリのIDを交換することができることを売りにしている、いわゆる出会い系アプリである。だが、それは表向きで、実際は出会いを装ってサービス利用のためのポイントを買わせるのが狙いだ。話を引っ張って、ポイント購入に誘導するのがパターンである。詳しくはのちほど説明しよう。

今回利用したアプリも、iTunesの評価を見たところ、不自然な多くの高評価と共に、低評価には「インチキだ」とか「サクラばっかり」などのコメントがある。私から言わせれば、LINEで戦うことができさえすれば、相手は誰でもいい。


サクラでいい。いやむしろ、サクラがいい!


ということで、今回利用したアプリの仕組みについて、簡単に説明しよう。


・怪しいID交換アプリの使い方

アプリを起動すると、最初に位置情報の利用許可を求められた。このアプリは位置情報を元にマッチングしているという体裁なのだが、そんなもの許可する訳がない。「許可しない」をタップ。


続いて、性別・ニックネーム・地域・年齢などの属性を入力する。「サクラ 対 男性」の戦いの場であることは明白なので、性別の選択肢はいらないと思うのだが、一応友達を見つけるアプリという建前のようだ。


アプリを開始すると、最初に検索画面が表示されて、どこで拾ってきたのかわからないような女性の画像がウジャウジャ出てくる。よく集めたなと思うほど、その数は膨大である。


さて、アプリの利用そのものは無料だ。相手のプロフィールの閲覧や個別に届くメッセージを読むのは無料。メッセージに返信をするのには25ポイントかかる。ポイントは100ポイント1200円~で販売している。つまりメッセージのやり取りを繰り返せば繰り返すほど、金がかかるという仕組みだ。


・魅力なしのプロフィールなのに

自分のプロフィール画面を見ると、必要最小限の情報しか載っていない。名前は「さとう」、住所は「日本 東京都 新宿」、年齢「45歳」。どこにも魅力的な要素はない。


魅力的な要素はないはずなのだが……。


信じられないことに、すぐに3件のメッセージが届いた。あのプロフィールのどこを見たら「この人にメッセしよ♡」ってなるんだよ……。


・さっそく対決

さっそく実戦といこう。登録時にはポイントが100ポイントついている(ログインボーナス1日2ポイント)ので、4回はメッセージを送れる。早ければ、そこでケリをつけて、LINEでガッツリ組み合うぞ! まず相手にしたのは「そのちゃん」だ。IDを教えてもらうか、自分のIDを教えるか、1ラウンドで終わらせてやる!! 課金なんか絶対しねえぞッ! いくぞ、全力で来い!



その「こんにちは! 初めまして! さとうさんは何目的ですか?」

佐藤「LINEでお話ししたいなと。」

その「いいですよ♪ 教えてもらえますか?♪」

佐藤「@ ■■■■■■■■■(ID)で検索してください」

その「@も入れる感じかな?」

佐藤「お願いします」

その「@ ■■■■■■■■■で丸坊主のキューピーちゃんかな?♡ 可愛い(笑) 間違えたくないからそこ教えてもらえる?♡」



お分かりいただけるだろうか? あれこれ尋ねるフリをして、会話を引き延ばしていることが。イチイチ返信させるんじゃねえ! お前なんか知らんッ!! …………と言いたいところなのだが、彼女の最後の発言が引っかかった。丸坊主のキューピーちゃん。


まさしく私のLINEアカウントのアイコンがソレだった。



きさま! 見ているなッ!


敵はもう目の前にいる、追い詰めたも同然だ! このままトドメを刺すぞ。……と思ったら、最初に「こんにちは」と送ったのと合わせて、4回メッセージを送ってしまっていた。もうポイントはない。


「あと1歩だ」、そう自分に言い聞かせて

カキーーーン!!(課金)


ヨッシャ! 弾薬補充、あらためて行くでッ!!


さきほど、私のLINEアカウントを見つけて、アイコンを確認したところだったので、「(私のアカウントは)それ」と返事をすると、こう返してきやがった。


その「ありがとうって思ったんだけどごめん。なんかアプリ開けなかったから何回か検索してたら制限かかっちゃったみたい 私がそっちまで行ったらふるふるで交換してもらえる?」


…………きさまはナニを言っているんだ? …………


速攻でブロックしてやった。まさかこんな形でのせられてしまうとは……。自分の不甲斐なさが悔しくて、身震いするわ……


・第2戦、ファイト!

さて、気を取り直して次に行こう。続いての相手は「ちーたん」だ。



また先のそのちゃんと同じように、かったるい会話は2回ほどした後に、私のIDを教えておいたのだが、やはりとぼける。


佐藤「今日は時間ない。LINEちょうだい」

ちーたん「そっかぁじゃあIDおくってもらってもいい?」

ちーたん「@■■■■■■■■(ID)じゃ出てこないけどID間違えてたりしない?♡」


イライラする気持ちを抑えつつ……

またカキーーーン!!


弾薬がなければ戦えない。せめて1人、1人だけでもLINEのフィールドに誘導することができれば、これまで費やしてきた時間と手間が報われるはず。


そう思い、IDを催促した。もう私のIDが見つからんというなら、それでいい。こっちで探してやる!


するとQRコードを送るというじゃないか。


ちーたん「じゃコレで追加してー」



キターーーーーーーー!!!!


いぇえええええええええええええええ!


よ~し、さっそくID探しちゃうよ~。けんさくけんさく~♪


ちーたん、どこかな~♪ ちーたん、待っててね~♫

ライブラリから先ほど保存したQRコードを読み込んでみると……。



「該当するユーザーが見つかりませんでした」


おわり

Report:迷惑LINE評論家・佐藤英典
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