東京オリンピックの観戦チケットの申し込み抽選の結果が発表された。残念ながら私(佐藤)は落選。まだチャンスがあるとはいえ、会場で観戦できる可能性はかなり少なくなった……。当選した人はチケットの購入準備をすると共に、歴史的瞬間をその目に焼き付けて欲しい。

もしも席がフィールドから遠かった場合に、ぜひとも活用して欲しいアイテムがある。それは、スマホ用のクリップレンズだ。しかもバズーカ級にデカいヤツ。これがあれば、かなりダイナミックに観戦できるのではないだろうか。

・観戦用に使えるかも?

あらかじめ断っておきたいのだが、東京オリンピックは写真・動画の撮影に関して規制があるようなので、今回は撮影目的というよりも観戦目的で紹介しておきたいと思う。

さて、この商品は、株式会社カシムラの「スマホ用望遠レンズ 18倍」である。私が家電量販店で見つけたもっともデカいサイズのレンズだ。価格は税別4620円。


付属品は持ち運び用のポーチとクリーニングクロス。それにクリップとキャップ類である。


手に持つとずっしりと重い。レンズの長さは10.5センチもある。いまだかつて、これほどまでにデカいクリップレンズを、私は使ったことがない。これはめちゃめちゃ遠くまで見えるはず!


・SEではムリ……

実際に私が愛用しているiPhone SEに装着して、小型の三脚に立ててみると、レンズが重すぎてスマホが前のめりになってしまう。


大丈夫か? そう思いながら手を離すと……、バタン! と大きな音を立ててぶっ倒れてしまった。やはりSEには、文字通り荷が重かったか……。


・Pixel3と丈夫な三脚

これでは使用感を検証できない。諦めるしかないか……。

いやいや、まだだ! 私にはもう1つ使用している端末「Google Pixel3」がある! そして普段から持ち歩いている、頑丈な折りたたみ三脚がある!! この2つを組み合わせれば、たとえバズーカ級のクリップレンズでも問題ない!!



てってれ~! 片手に余すようなサイズのPixel3と、しっかりとアスファルトに脚を伸ばした強い三脚があれば、戦えるのだ!


・通常のカメラモード、拡大なし

撮影対象に選んだのは、東京都渋谷区の「NTTドコモ代々木ビル」である。高さ約240メートル、新宿駅の方角からでも目につく巨大な建物だ。まずはレンズなし、通常のカメラモード(拡大なし)で撮影してみる。


新宿御苑側から撮ると、時計があることはわかるが、拡大なしで文字盤が読めるか読めないかといったところだ。


・拡大あり

次に、通常カメラモードで最大に拡大して撮影。


最大に拡大して撮影すると、時計は19時10分を指していることがわかる。この状態でレンズを装着するとどうなるのか?


・レンズあり、拡大なし

次はレンズを装着して拡大なし。そうしたところ、先ほどのレンズなし拡大最大と、ほぼ同じくらいの倍率で撮影できることがわかる。


時計の文字盤は先ほどよりもやや鮮明に見えるくらいだ。時間は19時12分頃を指している。


・レンズあり、拡大あり

最後に、レンズありの拡大倍率最大! ここまでデカくなると、ブレが激しくなって被写体を捉えるのが難しくなるのだが、なんとかシャッターを押すことに成功。そこに写っていたのは……




トケイ! デケエ!!


イヤと言うほど文字盤がデカく写っている。これなら、五輪の競技会場でたとえ後ろの方の席になったとしても、競技の様子はスマホとレンズを通して、しっかり見ることができるかもしれない。



しかしながら、いくつか気になることもある。先も述べたように、拡大率が大きくなると、その分、手ぶれの影響を受けやすくなる。三脚を立てていたとしても、風が吹いただけでレンズの向こうの景色がぐらぐらと揺れてしまっていた。また、撮影時にシャッターを押すと、その振動で手ぶれが生じてしまう。使うのには少々コツがいるようだ。


・単眼望遠鏡として

ちなみに、このレンズはスマホに装着するだけではなく、もう1つ使い方がある。それは単眼望遠鏡だ。


望遠鏡として使ってみると、たしかに見える。遠くがよく見えるんだけど。


これなら双眼鏡を買った方がいい気もする……。いずれにしても、チケットが当選した人は、来年までに観戦の準備をしっかり整えて欲しい。ハズレた私はセカンドチャンスを待つことにする……。

Report:佐藤英典
Photo:Rocketnews24