芸人たちが1つのテーマに沿ってトークを展開する番組『アメトーーク!』。独自の視点によって語られる愛が流行を生むこともあるテレビ朝日の人気番組だ。
その「立ち食いそば芸人」の回で大絶賛された店がある。ダイノジの大谷さんが紹介し、ケンコバさんも「一番好き!」と声を張り上げたその店の名は『住よし』。はたして、立ち食いそば芸人たちが絶賛する味とは? JR名古屋駅にあるこの店に行ってみた。
・立ち食いきしめん
新幹線で名古屋駅に降り立つと、目に飛び込んでくる黒い店舗。看板には『きしめん 住よし』の文字が光る。そう、この店は立ち食いきしめんの店だ。
漂う出汁の香りに食欲をそそられた経験を持つ人もいるだろう。少し昼時は過ぎていたが、席が空けばすぐに客が滑り込むような感じで人気をうかがわせる。その客もすぐに出ていくような回転の早さだ。
・目を引くのはかつお節
一応、そばも選ぶことができるが、きしめんを注文してみた。初めてだし、郷に入っては郷に従え。ここは店の流儀に合わせたい。注文したのは人気No.1という「かき揚げ(玉子入り)きしめん(税込570円)」である。
濃い色のつゆにガッシリ塊感のあるかき揚げが浮かぶ。卵が温泉卵なのもちょっと嬉しいところだ。しかし、それよりも特徴的なのは、かつお節が乗っていることかもしれない。
・味はいかに?
立ち上る湯気にひらひらと踊るかつお節。そのダンスは私を挑発するかのようだ。ならば食べてやろうじゃないかお望み通りに。ひと思いにつゆと共に麺をすすった。
麺はモチモチした食感。かき揚げをかじると、「サクッ」を越えてザクザクとしている。食べ心地は抜群だ。
少し気になるのはつゆの味が若干単調なこと。色の通り醤油味が強いのだが、個人的には、その醤油が前に出すぎているような気がする……と、そう思いながら食べ進めていると、あることに気づいた。
・つゆの謎
それは最後に残ったつゆを飲んだ時。なぜだか、それまでのつゆよりもコク深い味がしたのである。つゆの味が変わった? よく分からなかったため、もう1回食べてみることにした。
実は、JR名古屋駅には、在来線ホームにも『住よし』がある。外観は在来線の方が “味” のある感じとなっているのだが、メニューの価格などは変わらない。
・2度目の実食
ここでもう1度「かき揚げ(玉子入り)きしめん」を注文してみた。つゆを飲んでみて、味は大きく変わらないことを確認。やはりちょっと単調なのだが、食べ進めていくうちに旨みが増していく。こ、これは……
かつお節!?
後半、かつお節がつゆに浸りきることにより、出汁が出てつゆの味が変わっている!! 徐々に変化していく味のグラデーションはまるで虹の光のようだ。
・一食の価値あり
結果、食べ終わる頃にはもう1杯食べたくなっている。思えば、挑発するようにダンスしていたかつお節はこのことを伝えたかったのかもしれない。
半ば無理やり伏線めいたものを回収してみたことはさて置き、この飽きない味の変化には驚かされた。立ち食いそば芸人も絶賛の名古屋駅『住よし』は一食の価値あり。食べる時は、ぜひつゆを最後まで飲んでみてくれ。
・今回紹介した店舗の情報
店名 住よし
住所 愛知県名古屋市中村区名駅1-1-4JR名古屋駅構内
Report:立ち食いそば評論家・中澤星児
Photo:Rocketnews24.