おじさんがLINEで送ってきそうな文章を生成できるWebサービス「#おじさん文章ジェネレーター」。私(佐藤)は、そのウザさレベルをマックスにして、迷惑LINEアカウント(真帆ちゃん)との対決に挑んだ。しかし、前回の記事でお伝えした通り、結果は敗北。
その際、ジェネレーターの文章は限界と感じたので、新しい策を講じることを思いついた。それは、スタンプのみで応戦すること。幸い、私は自分のLINEスタンプを持っている。これだけで返信し続けたらどうなるのか? 自分でいうのも何だが、私のスタンプは相当ウザい。さすがに相手も黙っていないはずなのだが、はたして!?
・異色の対戦相手
今回の対戦相手は、ゆかちゃんだ。これまでに10人以上の相手と組み合ってきた私の所感では、「ゆか」という名前の迷惑LINEアカウントが1番多いように思う。同じ相手と気づかずに2回も組み合ってしまったことがあるほど、この名前によく出くわす。
さて、今回のゆかちゃんはちょっと変わったアプローチをしてきた。大抵はLINEで友達追加した直後に、反射的に相手からスタンプが飛んでくるのだが、彼女は違う。スタンプを催促してきたのだ。私のメアドに届いた迷惑メールには、LINE IDと共にこう記されている。
「(友達)追加した時にスタンプ送ってもらえたら嬉しいです♪」
ほほ~、これは新しい。私はこの内容を見てひらめいた。自分のスタンプのみで迎撃することを。ということで、早速ゆかちゃんを友達追加。
すかさず、挨拶がわりのスタンプを投下してやった。
ど~ん!! これは即終了だろう。相手がイラ立って逃亡してもムリはない。媚びた感じのかわいいスタンプが来ることを想像していたはずだ。だが、あんたが出会ってしまったのは、そんなぬるい男ではなかった。残念だな、フフフ……。
既読になっただけでヨシ。相手は私のトランプ大統領風の顔を目にしたはずだ。それだけで満足。何も返しては来ないだろう。そこでLINEアプリをそっと閉じた……。
ところがッ!!
少ししてLINEを見ると、メッセージが1件来ている! 相手はゆかちゃん!!
正気か? あのスタンプを見て挑戦してくるとは……。ふ~ん、よかろう。相手をして進ぜよう。
・開戦!
ということで、開戦のゴングが鳴り響いた。私のパワースタンプを華麗に交わしたゆかちゃんは、いきなり写真付きでメッセージを繰り出す。
ゆか「お初です! ゆかです(`・ω・´)ゞ 異性仲介してくれるサービスがあるみたいでそこから来ました♪ 近くの人なのかな…どこ住みなんですかぁー?」
おっといきなり写真とドコスミ(どこ住み)のコンビネーション炸裂! 「おぬし、出来るな」、私はそうつぶやかずにはいられなかった。
だが、真正面から組みにはいかない。こっちも手札はいっぱいあるんだ。まずは「ハイクオリティなロボットのコスプレ」写真スタンプで切り返す。
すると続けざまに自己紹介が始まった。
ゆか「おぉ?いつでも会える距離だね(//ω//)♡ 私の取扱説明書から!(笑) 23才でOLやってます!! 「ゆか」って呼んでね♪ 趣味は~…読書と占いだよ♪こんな感じだけど気が合いそうかな(笑)」
「私の取扱説明書」を出すとは。これまで戦ってきた相手の中でもかなり異質であることは間違いない。彼女が実在するかどうかは別にして、読書と占いが趣味で気が合うかどうかを尋ねられても、「はい」と答える感性が私にはない。残念だが……。
ここは「真顔のトランプ大統領」スタンプでも貼っておこう。
真顔の私のスタンプを送ったところ、軽く私の自尊心を傷つける内容が返ってきた。これは意図したものなのか?
ゆか「私は年齢とかぜっんぜん気にしてないし見た目よりも中身重視だから問題ないよ♪どんな女の子がタイプだったりするのかな?」
てめえコノヤロー! それはどういうつもりで言ってんだ!! 「あなたはオッサンでブサイクだけど、私はそれに耐えられる女です」ってことかよ! 大体「気にしてない」って言ってるヤツは、メチャクチャ気にしてるんだよ。「全然怒ってないし」って言ってるヤツは猛烈に怒ってんだよ。それが相場だ、覚えておけ。
完全にアタマに来たぞ。ここは「怒りの舞」のスタンプだッ!!
怒りの舞を見て、少々怖がらせてしまったらしい。かよわい女の子であることを、暗に訴える内容のメッセージが返ってきた。
ゆか「私は誰に対してもやさしい人がタイプかなぁ あとはツンデレとか…(笑)外ではツンツンしてるけど家ではデレデレする甘えん坊さんみたいなギャップに萌えちゃう(′艸`)♡そういえば独り暮らし?」
お嬢ちゃん、おじさんはツンデレとかではないんだよ。心底他人が嫌いな「ツン男」なのさ。
凍てついた鉄のハートを持っていることを分からせてやるか。「瞑目(めいもく)するミニオンズ」スタンプだ。
・戦いは佳境へ
どうやら相手は相当タフらしい。こちらの会心の攻撃が一向に響いていない様子だ。不意に生活感丸出しの話を始めやがった。
ゆか「ふむふむ…φ(..) 私、今ひとり暮らしなんだけどね、お洗濯ってどれくらいの頻度で回してるのかなーって(笑)洗剤はなに使ってるか分かる??」
死ぬほどどうでもいい話だ。独り暮らしが前提で、自分が使ってる洗剤がわかんねえヤツなんていねえだろ。舐められとるな。
私がいかにヤバいヤツなのかを分からせるために、「クレイジーすぎる hyde のコスプレ」写真スタンプを投下だ。
自分でもなかなかのイカれ具合の秀逸な写真だと感じている。この攻撃が効いたらしく、相手は組み合いを避けて、さらに話題を変えてきた。
ゆか「あのね、去年末によく当たるって占い師さんに今年はいい出会いがあるって言われたんだー(`・ω・´)これが運命なのかなー なんて思っちゃったの(笑)」
その占い、たしかに当たっているぞ。お前は私に敗れる “運命” なのだ! 敗北の味を知る、良き “出会い” だぞッ。
食らえ! 「酸っぱすぎた梅干しを食ったおじさん」スタンプーーッ!
果敢にウザったいスタンプを送り続けているのに、相手はまったく怯む気配がない。そうしている間に、こちらのスタンプの手札も、残り少なくなってきている。長期戦は避けたいところ。そう思っていたら、相手はこの戦いの締めに向かっていることがわかった。
ゆか「とにかくまずは会わないと何も始まらないもんね!!♪ 早めに言ってくれれば有給取れるから近い日でいつお休みかな?」
出た、「会う約束」で期待持たせるヤツ。そんなのでバカみたいにワクワクする私ではないわッ!
行くぞ! 「自分が間違ってんのに、逆に説教しちゃうおじさん」スタンプーーーーッ!!!!
少し間があった。相手は何か、準備をしているのではないか。“気” をためているがごとく、キメの一発を放ってきた。
ゆか「ちょっと確認しておくね(`・ω・´) それでね…今朝、お家で洗い物してる時に携帯をシンクに落しちゃったの… 急いで乾かして何とか使えるけどいつ電源が入らなくなるか分からないから、こっちで少しの間だけお願い(・ω・´;)■■■■■■■■■■■■■(URL)」
この時を待っていた
ああ? コラ
本気のパンチパーマスタンプ出しちゃうよ、おじさん
ふざけんな! 行くぞ、コラ!!
怒りのスタンプバズーカ炸裂ッ! そしてゆかちゃんまさかの反撃は次のぺージへッ! 戦いはもう少し続くぞ!!
Report:佐藤英典
Screenshot:iOS(LINE)