なんとなくAmazonで面白いものがないかサーフィンしていたところ、興味深いものを発見。なんと25年も保存できるという非常食である。おいおい、これを持って地下核シェルターに閉じこもれば、とりあえず25年は生き延びれるじゃねぇか!

さっそく大量に購入し、あとは宝くじを当てて核シェルターをゲットすれば……と考えたところで、この計画に穴があることに気づいた筆者。もしマズかったらどうするんだ? 25年もマズい飯を食い続けるとか、生き延びても辛くね? ということで食べてみたぞ!

・サバイバルフーズ

問題の非常食とは『サバイバルフーズ 洋風とり雑炊 小缶』という商品。購入時にはAmazonで3225円で販売されていたものだ。普通の缶詰としてならそこそこな金額だが、25年の保存期間を思えばなんとなく納得できる。

届いた実物を手にしてみると、思っていたよりも小さい。缶は直径約10センチ、高さ12センチの円錐形。付属しているプラスチックの蓋の下には、刃の部分を折りたためる缶きりがついている。これなら非常時でもちゃんとあけることができるだろう。



缶の底には「2044.2」と印刷されていた。これはそのまま2044年の2月まで大丈夫ということだろう。他の食品なら、これが消費期限だとはにわかに信じがたい数字だが、今回に限ってはガチである。



・水でもお湯でも作れる

次は中身を見てみよう。付属の缶きりで開けると、中にはフリーズドライ状態の雑炊が。



マッシュルームやチキンっぽいものがそれとなく確認できる。なんとなくこのまま食べてみたところ、割とウマい



少しわかり辛い例えかもしれないが「ケロッグチョコクリスピー」からチョコを抜いて、グルタミン酸ナトリウム(「味の素」とかの白い粉)と塩をぶっかけたら多分こんな感じ……という味と食感。

調理前でこれなら、ちゃんと食べても普通にウマい気がする。ちなみに作り方としては、水かお湯と混ぜるだけ。非常時にお湯は貴重だと思われるので、水でも作れるのは素晴らしい

「水が無いと無理じゃねぇか!」という指摘も出そうだが、その心配は不要だろう。水が無ければ、食べ物がウマいかマズいかで悩む前に死んでしまうだろうし。

缶の全量に対して、沸騰させる場合は650ml、させない場合は600mlの水が必要ということだが……非常時に計量カップを持って逃げる人はそんなに居ないだろう。そこもちゃんと対応されており、缶の9分目くらいまでの水を混ぜればいいそうだ

ということでお湯を用意し、缶の9分目くらいまでの量と中身を混ぜて完成。食べてみると……



_人人_
> 雑 <
> 炊 <
 ̄Y^Y ̄


非常食というと、なんとなくウマさを犠牲にして携帯性やカロリーなどを重視していそうなイメージがある。しかしこの雑炊において、味は全く犠牲にされていない

非常時にこの味を食べれられるなら、食べ物の味でストレスを感じることは無いだろう。量は1缶で2.5食分らしいが、個人的には1日2缶くらい食べれば丁度良さそう

・進化してほしいポイント

ということで、味については間違いなくウマい。地下核シェルターがあれば今すぐ25年分買い込んで備蓄するレベル。ではパーフェクトなのか? ……いや、実はちょっと思うところもあった。せっかくなので、ここは非常時をイメージして気づいた、幾つかのポイントについてふれてみたい。

まず付属の缶きりについて。非常時においてこの手のツールは非常にありがたい。缶きりとしての使い勝手も問題は無いし、折りたためるのもスゴい。

そこでもうちょっと頑張って、折りたたみ式の歯つきのスプーンをつけて欲しかった



さらに欲張ると、缶の内容物がビニールか紙の袋に入っていれば最強だ。上述の通り、内容物を全部使う場合に必要な水の量は缶の9分目までくらい。作るためには、別に空の容器を用意しなければならない

しかし袋に入っていれば話は別というもの。中身が別の袋に入っていれば、食べる分だけ缶に出して、缶を容器にして食べることができる。スプーン付きの缶きりと合わせれば、この缶と水だけで食べられて最強となる。

次のポイントは缶に使われている素材について。注意点に、容器のまま直火やストーブで加熱しないよう書かれている。これは未開封のまま過熱したら破裂するからとか、そういう話ではないだろう。



内側のコーティング剤が直火の温度に耐えられないからではないか……と思われる。他の缶詰などでも、直火を禁止しているのはだいたいコーティングの問題。値段を上げてでも、直火可能にしたほうが非常食としてのランクは上がると思う。

なぜなら金属製の容器は、非常時において貴重な道具となるから。直火で過熱可能な素材にしてもらえれば、水の煮沸などに使えて便利。というか、非常時ならどうせ注意書きを無視して缶を直火にかけるだろう

ということで、上述の点も含めて他にも気づいたスゴいところと、進化して欲しいところをまとめると……

・スゴいところ

1. 保存期間が25年
2. 缶きりがついてる
3. 水でつくれる
4. ウマい
5. ラベルがはがしやすい

・進化して欲しいところ

1. 歯つきスプーン機能の付与
2. 中身を袋に入れて
3. 缶を直火可能に
4. ラベルを燃やしやすい紙質に(種火を育てるのに使えるようなのがいい)

途中からウマいかどうかという本題から外れて、いささか欲張ったことを書いたが、味はしっかりウマかった。公式サイトによると、他に「野菜シチュー」「チキンシチュー」「洋風えび雑炊」と、さらにクラッカーもあるもよう。

地震などの自然災害か、あるいはゾンビや宇宙人によってもたらされる終末などに備えて長期保存が可能な非常食を求めている方は、とりあえず1日2缶を目安に25年分買い込んではいかがだろう。

参照元:サバイバルフーズAmazon
Report:江川資具
Photo:RocketNews24.