「アイコス3」が発売開始されてから約半年が経った。やっとコンビニでも購入が可能になり、発売開始時は1万980円だったのが、現在『春割』キャンペーンで7980円で購入することができるようだ。そうしている間に、JTが「プルームテックプラス」と「プルームS」の販売を開始し、電気加熱式たばこ市場は、まさに “加熱” している。
そんななか、私(佐藤)はスゴイものを発見してしまった。都内某所のたばこ屋で、アイコスもプルームも吸える代物が販売されていたのである! マジかよ、両方を吸えるってどんな仕組みなんだッ!!
・プルームとアイコスの違い
その製品は、「gippro」というメーカーの『マルチファンクション T-VAPER SW-1』だ。購入時の価格は9980円(税込)である。店主に聞くと、製品は予想通り中国製。いわゆる互換機である。
プルームテックを吸うことができるということは、構造上、電子たばこと同じ「ヴェポライザー」に類される。電気で液体リキッドを加熱して、煙(水蒸気)が出るという仕組みだ。吸い口部分にプルームのカプセルを装着すれば、喫煙できることはわかる。
だが、アイコスは「ヒートスティック」と呼ばれるたばこ葉を丸めたものに、加熱した芯を刺して喫煙する。 “燻す” ことによって、煙が出る仕組みだ。そのアイコスのヒートスティックをこの機器に装着して、本当に喫煙できるのか?
一体どんな味になるのか、まったく想像がつかなかったので、とにかく買って試すことにした。
・初代プルームに近い構造
箱に入っているのは、バッテリー内臓の本体とフレーバーキャップ2種。それに液体リキッドの入った「カトマイザー」と、マウスピースは2つ。それにUSB充電器である。
充電方式は、初代のプルームテックと同じ。本体部分をUSB充電器に接続する。充電器を本体にねじ込むのが少々面倒だ。
・プルームのたばこカプセルを吸う
充電が完了した状態で、実際にプルームテックのカプセルを吸ってみるとしよう。喫煙するには、まずカトマイザーを本体に装着する。
次に、フレーバーキャップA(プルーム用)をカトマイザーの上から装着する。
そして、キャップにプルームのたばこカプセルを挿入して準備完了だ。
本体にオン・オフスイッチはない。充電不足でなければ、吸うことで電源が入るようになっている。この点も初代プルームテックと同じ。実際に吸ってみると……。
おお! 結構煙が出る。プルームテックプラスと同等の吸い応えといったところだろうか。ちなみに、カートリッジは1本で300回吸うことが可能なのだとか。1本のカートリッジで、カプセル6本分(1カプセルあたり50回吸える)吸えることになる。
プルームテックプラスを、少しパワフルにした感じと言ったところか。気になるのは、プルームよりもアイコスを吸うとどうなるかだ。
・アイコスのヒートスティックを吸う
アイコスのヒートスティックを吸うには、キャップをフレーバーキャップB(アイコス用)に交換しなければならない。交換したうえで、ヒートスティックを挿入。本当に煙は出るのか? 芯(ブレード)を刺していないのに煙が出るとは、ちょっと想像できない。はたして……。
いざ勝負! 深く吸い込んでみると……。
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煙が出た!!!!
出る! 煙出る!! めっちゃ出るやん!
すげえええええ! プルームもアイコスも両方吸えた!! なんて革命的なんだーーーッ!
…………いや、ちょっと待てよ…………
良く考えたら、煙が出るのは当たり前だ。なぜなら、最初に述べたように、液体リキッドを加熱しているから、水蒸気が出るのは当たり前だ。ヒートスティックを装着しなくったって、煙が出る。プルームのたばこカプセルがなくったって、煙は出てくる。
問題は “喫味” があるか? ということだ。
やはりヒートスティックは、水蒸気を通して吸うものではないため、喫味は弱い。とても弱い。アイコスで吸う100分の1くらいの満足度しかない。だが、ヒートスティック抜きで吸うよりはマシと言った程度である。
・まとめ
結論としては、アイコスもプルームテックも吸えるけど、満足いくようなたばこ体験ができるかどうかは微妙なところだ。やはり仕組みの違う2つのたばこを1つにするのは少々無理があるかも……。しかしながら、この手の互換機は進化が早く、意表をつくアイディア商品がドンドン出ている。正規品の進化が追いつけないほどのスピードで進化しているので、ぜひとも正規メーカーも負けずに進化を続けて行って欲しいものだ。
Report:佐藤英典
Photo:Rocketnews24