スポーツの中でも得点が生まれにくいサッカーだが、撃ち合いになることがあれば大差がつく試合もたまにある。たとえ互いに実力を兼ね備えていたとしても、ブラジルW杯の「ブラジル vs ドイツ」のように1−7なんてスコアも生まれるのもサッカーだ。
「ミネイロンの惨劇」と呼ばれている衝撃から約5年、イタリアサッカーでそれを超える惨劇スコアが生まれてしまった。20−0。ここまでの大差、野球の試合でもそう見ない。
・イタリア3部の試合
世界に衝撃を与えているのは、2019年2月17日に行われたセリエC(3部リーグ)のクネオ vs プロピアチェンツァの試合だ。前半だけで16失点を喫したプロピアチェンツァは、試合を通じて20失点。得点は奪えず「20−0」の大敗を喫した。
・なぜ無慈悲スコアは生まれた?
いくら実力差があったとしても20得点は珍しい。前科のあるイタリアだけにもしかしたら八百長か……と思いたくなるところだが、きちんとした理由があった。海外サイト「The Guardian」によると、プロピアチェンツァは経営難に陥っているのだそうだ。
昨年の8月以降、チームとスタッフは給料を支払われておらず。その影響でここ数試合は人数が足りずに没収試合となっていた。これ以上、没収試合となるとリーグから除外されるため、試合が成立する最低人数の7人で戦うことになった。
・全員10代で
また、人数差があるだけでなく出場した選手は全員10代。こうなると、無慈悲なスコアが生まれてしまったのも納得できる。YouTubeにアップされている動画「CUNEO-PRO PIACENZA 20-0 HIGHLIGHTS HD」では、人数が足りずに圧倒され続けるプロピアチェンツァの姿が……。
ただ、クネオとしてもプロである以上は全力を尽くすのみ。結果として不名誉な形で名前が世界に知れ渡ったプロピアチェンツァだが、3月11日に予定されているイタリアサッカー連盟の公聴会に出席して今後の動向を決めるという。クラブ、選手、スタッフ、ファン……関わるすべての人にとって、最善の方向に物事が進むことを願いたい。
参照元:YouTube、The guardian(英語)
執筆:原田たかし
Photo:RocketNews24.