あけまして、キングダム! ちょうど1年前のこの時期、我々ロケットニュース24の熱烈キングダムファン4名は「2018年のキングダム大予想」を執筆、公開した。読み返してみると、当たっていたり大ハズレしていたりするが、それはイイ。今回は第2弾「2019年のキングダムはこうなる!」をお届けしたい。
今年も引き続き、秦軍による「鄴攻め」がメインになると思うが、果たして熱烈ファンたちはどこに、そして誰に注目しているのだろうか? 内容はヤングジャンプ最新号「587話」までを前提にしているので、コミックしか読んでいない人はネタバレに注意して欲しい。
・注目はやはり「あの男」か
この記事に目を通してくれている読者の方は、きっと我々と同じくらいのキングダムファンであろう。なのでキングダムの概要などについては割愛するが、一言で表すならば、いま1番……いや、ここ10年で1番アツくおもしろい漫画作品である。
今年の予想も各記者に熱が入りすぎたため やや長いが、ぜひ最後まで目を通していただきたい。やはりというべきか、記者たちは “あの男の存在” が気になって仕方ないようだ。
・P.K.サンジュン:「いよいよ王翦の謎が明かされていく」
予想通り、2018年中に「秦の鄴攻め」は終わらなかった。いい……むしろイイ。もっともっと各キャラを深堀して欲しいし、原先生には「そう来たかーー!」と我々を驚かせて欲しい。ヤングジャンプ8号には「朱海平原決着まであと2日」と記されていたが、それでも2019年中にこの戦いが決着するかは不明である。
というのも、この戦いを終結させるためには “いくつかの伏線” を回収する必要があるからだ。出陣前、王翦が昌平君に告げた「総司令、頼みがある」の件もそうだし、チラッと出てきた「龐煖」も必ずどこかで登場するに違いない。そして龐煖は、信の前に現れることだろう──。
この1年で決着したのは、とりあえず楊端和の戦場。山の民はかなり深掘りされたので、端和様の下僕を自負する私としてはかなり満足だった。そしてまだ手を付けられていないキャラクターが、そう……秦軍の総大将「王翦」である。
なので、今年は全体を通して王翦がフューチャーされる年になるだろう。亜光や麻鉱など “王翦軍” については徐々に全容が明かされているものの、王翦本人、特に武力については未知の領域なので非常に気になるところだ。しかも対するは李牧……! 相手に不足はない。
また忘れてならないのが、信・蒙恬・王賁の3人が「誰の首を取るのか?」ということ。信は岳嬰を討ち取っているので将軍への道が開けているが、蒙恬と王賁もこのままでは終わらないだろう。この戦いは、信・蒙恬・王賁の3人が将軍になるための戦いなのだ。
個人的には今年いっぱいと言わず、何ならあと2年くらいかかってもイイので、原先生の納得する形で鄴攻めを終結させて欲しいと思う。余談だが「力を貸してくれ飛信隊」のくだりで実際泣いたし、今も思い出しながら鼻がツンとしている。あれくらいの名シーンを今年も見たい。
・和才雄一郎:「王翦の秘策とは?」
2019年のキングダムを予想するにおいて、1番のポイントとなるのは「王翦の秘策とは何か?」だろう。ヤングジャンプ8号では李牧軍と朱海平原で対峙している王翦だが、最後の最後で “その秘策” が炸裂するはず。
このまま “力と力の勝負” で勝敗が決することは、「絶対に勝てる戦いにしか興味がない」と豪語する王翦の性格上、考えられない。じゃあその秘策は一体何かいう話になるのだが……私は “別動隊” ではないかと思う。
この別動隊を具体的に説明するにあたり、押さえておくべきなのが今までの鄴攻めの流れ。思い出して欲しい。咸陽を出発した王翦軍は、黒羊丘から攻めると思わせておいて、途中で進路を変更。強行軍で列尾を落とし、そこから鄴に達してからまた進路を変え、王翦自身は朱海平原にいる。
ここで私が重要だと思うのは、黒羊丘から攻めると思わせておいて、途中で進路を変更したところ。黒羊丘への中継地である「金安」で兵糧の偽装をやったのを覚えているだろうか?
あの進路変更で、李牧を含む趙軍全員の目、というか読者の目線も列尾と鄴に向けられたのは想像に難くない。だがしかし……! 王翦が全軍で列尾に向かったのではなく、いくらかの兵を金安に残しているとしたら? もしくは、黒羊丘にも兵が伏せられているとしたら……?
それらの兵が、もうすでに閼与(あつよ)を落とし、李牧の背後からジリジリと……! 桓騎と対峙する趙軍の背後にもジリジリと……! というのが私の予想である。どうだろうか?
・原田たかし:「王翦と李牧の心理戦」
ちょうど1年前、2018年のキングダムは「秦 vs 趙」の戦いで「王翦がぶっ飛びまくる」と予想した。確かに飛んだ……軽くぶっ飛んだところはあったが、まだまだ足りない。本当の王翦が描かれるのは、これからが本番と言っていいだろう。
去年と同じ、そしてサンジュンの予想とも同じだが、今年こそは全体を通して王翦がフューチャーされる年になると予想する。やはり気になるのは武力と「私は “絶対に勝つ戦” 以外興味はない」と言い放った自身溢れる言葉。李牧をどう追い詰めていくのか、最高の心理戦を期待せずにはいられない。
また、どの伏線がどこでどのように回収されるのか。このところ出番が少ないが、個人的には桓騎とオギコの頻出とあわせて待っている。あと今年は映画化されるが、アニメ復活も実現したら最高だ。
・あひるねこ:「王翦と桓騎の人間性」
1年前の記事を読み返すと、私(あひるねこ)は作中で桓騎の人間的な深掘り描写があるのではないかと予想している。しかし、結果的には深掘りどころか、ほとんど桓騎出てきてねぇ……。
が! 楊端和、山の民、壁にまで見せ場があった2018年。王賁に関しては武将として、そしてキャラクターとしてのさらなる覚醒が用意されていた。そろそろ王翦と桓騎についても、もうちょっと突っ込んだシーンがあってもいいのではないだろうか。
この2名はキャラの性質上、例えば楊端和と比べて、窮地に追い込まれて焦るというシーンを描き辛いはず。つまり、どうしても常に余裕で何を考えているのか分からないキャラになってしまうのだ。
まあ、王翦にしても桓騎にしてもそこがカッコイイわけだし、読者が読みたいのはこの二人が趙軍を圧倒する姿である。どういった戦略・戦術で戦況をひっくり返すのか? 最大の興味はそこだろう。とは言え、それだけでは漫画としての厚みに少々欠けるのも事実。
私が思うに、これまで王翦のキャラが濃いめに描かれたのは、鄴の前で敵に襲われながらも座り込み、熟考するシーンただ一つだ。あそこで初めて、王翦がどういう人でどういう武将なのかが垣間見えたように思う。
2019年、王翦と桓騎に関しては、こういった描写が多少は増えるのではないか。かな~~~~~り小出しにされる気もするが、二人の魅力が戦だけでなく、人間的に描かれるものと期待を込めて予想する。
──以上である。当然と言えば当然だが、今年最大の注目は「王翦」だ。王翦の武力、王翦の秘策、王翦の人間性……などなど、我々読者も趙軍と同じくらい王翦に振り回される1年になることだろう。いや、むしろ振り回して欲しい。
4月には映画も公開されるので、2019年は例年以上にキングダム旋風が巻き起こるハズ。仮に、まだキングダムを読んだことがないという人がいたら、ぜひこの機会にご一読いただきたい。読んだら最後、You Can’t Stop 間違いなしである。とにかくアツいんだ……キングダムは!
参考リンク:映画「キングダム」公式サイト
Report:P.K.サンジュン