ウェブメディアで記事を執筆するライターなら、誰だって記事が広く多くの人に読まれることを望んでいるはずである。しかしその願いはほとんど叶うことはなく、むしろ期待値の半分、いや3割程度でも到達すればヨシ! とすべきである。だが、現実はもっともっと厳しい。期待値の1割以下という結果になることも全然珍しくない。

2018年を振り返り、ライター別に絶望的に伸びなかった記事。猛烈に滑った記事を本人たちの言葉と共に紹介したいと思う。せめてもの弔いだ……。


■ 佐藤英典の執筆記事 「サマータイムが話題だけど、とりあえず森進一の『サマータイム』が最高だから聞いてみろッ! 超カッコイイぞッ!!」

佐藤談「今夏の報道で『サマータイム』と聞いて、私が真っ先に頭に浮かんだのは、ジャズのスタンダードナンバーの『サマータイム』だ。この曲は英語の歌詞な訳だが、それを演歌界の大御所森進一さんが歌っているという事実に驚愕すると共に、いち早く多くの人に伝えたいという使命感に駆られたのだが……。この驚きをわかってもらえなかったようである」


■ 原田たかし執筆記事 「日本開催の「ラグビーW杯」まであと430日!!」

原田談「大迫半端ないって! そう日本中が叫んだサッカーW杯の閉幕後に公開した記事で、2019年に自国開催されるラグビーW杯のことを思い出して欲しくて書いた。タイミングが逆に悪すぎたのかワーストとなってしまったが、すべては来年への布石。五郎丸フィーバー以上の成功を願って、来年はラグビー関連の記事を多く執筆していきたい」


■ 中澤星児執筆記事 【世界美女ギタリスト列伝】カナダ美女が奏でる新世代の音! クリスタルのようなトーンが美しいエミリー・クルーガー

中澤談「楽器を弾くということにはいくつかの壁がある。その1つに、「どれだけ人間性がプレイから伝わってくるか」というものがあり、これはテクニックよりある意味大事なことだと私(中澤)は思っている。この若さでこれだけオリジナリティーあふれるギターを弾くエミリーさんは凄い。

そういう一般に伝わりにくいセンスの持ち主たちを応援できないかとこの記事を書いたが、力及ばず残念。ちなみに、エミリーさんはこの記事が公開された約1週間後、海外の音楽サイト『Ultimate Guitar』の「知っておくべき無名の女性ギタリスト7人」に選ばれていた」


■ P.K.サンジュン執筆記事 「死ぬほど話題になってないけど、Twitterで「#(冬季オリンピック関連ワード)」って打つと絵文字が勝手に出てくるって知ってた?」

サンジュン談「うーん、まあ「イチかバチか」的な要素のあるネタだけど、ここまで盛大にスベるとは。こっち系の記事はSNSでハマるとそこそこ伸びるんだけどなぁ。とはいえ、死ぬほど話題になっていないネタを扱うのは危険ってことだNE☆」


■ あひるねこ執筆記事 「【速報】東京メトロ日比谷線の新駅名が「虎ノ門ヒルズ」に決まったウェイ!「高輪ゲートウェイ」と被せてきたウェ~~~イ!!」

あひるねこ談ちょっと何なのー!? 何でこの記事が伸びてないんだウェイ? 「高輪ゲートウェイ」発表の後に「虎ノ門ヒルズ」とか、思いっきり被せてきてるじゃないのウェイ! これはもう、あまりにもウェイすぎるウェイね。でもウェイ(私)としては、むしろお気に入りの記事だウェイよ。ウェウェウェ~~~


■ 和才雄一郎執筆記事 「【革命】マンゴーにすだちを絞ってかけて食べてみ! マジでウマいから / オカンに教えたいライフハック」

和才談「『オカンに教えたいライフハック』なのに、オカンからも一切レスポンスが無かった記事。そういや、うちのオカンは「あんたの記事が下品すぎる」と私によく言っていたので、この記事もあらぬ誤解を招いたのかもしれない。普通のマンゴーの話なのに……」


■ GO羽鳥執筆記事 「【コラム】図書館の本に鼻クソをつけるのはやめなさい」

GO羽鳥談「なぜこんな記事を書いたのか自分でもわからない。あらためて見返してみると、「やめなさい」と言っておきながら記事の9割がたがテメエの鼻くその思い出であった。なんというクソ記事。鼻クソにも劣るクソ記事だ」


……以上である。これらの記事を並べてみると、なるほどなぜ伸びなかったのか、自ずからわかりそうなものだ。とくに編集長たるGO羽鳥のコラムはすさまじい。職責の重さを感じさせるどころか、説教と見せかけてただの思い出話に終始している点が興味深い。「それでも編集長か」と心のなかで叫ばずにいられない。

いずれにしても、我々はこれからも誠心誠意くだらないことに取り組んでいく所存だ。どうか2019年も、あたたかい目で見守って頂きたいと願うばかりである……。

執筆:佐藤英典
Photo・イラスト:Rocketnews24