受動喫煙に伏兵がいた。てっきり副流煙を吸わされることだけが受動喫煙かと思っていたら、そうじゃなかったなんて……。ってことを、以前の記事「禁煙外来で『呼気検査の数値』を見て言葉を失った」で紹介した。

その際、受動喫煙のヤバさに「軽く引いた」と記載したのだが、これから触れるものは「ドン引きした」と言っても差し支えない。なにかと言うと……受動喫煙をプールで例えたイラストだ。もしくは、分煙の問題点をプールで例えたイラストとも言えるかと思うが、定義的なものよりもまずはそのイラストを紹介しよう。

プールで泳ぐ人たちと堂々と放尿する人たち。レーンの1つは「おしっこ可」になっている。イラストをパッと見ただけで、勘の良い方なら何を訴えようとしているのかピンと来るかも。

とはいえ、受動喫煙に関する知識がないと多くの人は分からないだろうから、以下で解説したい。

・分煙ってこんな感じ

最初にお伝えしたいのは、受動喫煙には2種類あるってこと。副流煙による受動喫煙と、喫煙者が吐き出した煙(呼出煙)による受動喫煙である。詳しくは以前の記事「禁煙外来で『呼気検査の数値』を見て言葉を失った」をご確認いただきたいが、ようは喫煙者がタバコを吸ったあとの呼気にも有害物質が含まれているということだ。

ちなみに、その呼気(呼出煙)から最低8時間も一酸化炭素が出ているという研究結果があるらしい。だから禁煙外来では、呼気一酸化炭素検査で当日や前日にタバコを吸っているかどうかチェックできる。

つーことはだ。たとえ分煙がキッチリされている施設であっても、喫煙者がタバコを吸ってから禁煙エリアに入ると、その呼気から有害物質が撒き散らされるということ。つーことは……「分煙」で受動喫煙を防いでいるつもりでも、ガードはユルユルであり、受動喫煙になってしまうということ。

そのユルユルなガード(分煙)をプールで例えるならば、おしっこ可能なエリアと泳ぐエリアをレーンで分けるようなもの……つまるところ、「呼出煙があることを考えたら、分煙によるガードってザルじゃん」「つーか、知らない間に受動喫煙になってしまってんじゃん」という趣旨のイラストである。

・禁煙外来で教えてもらった

ちなみに、私はそのイラストを禁煙外来(お茶の水循環器内科)で知った。病院で「自分の禁煙の状況」や「職場の喫煙率の高さ」を担当の医師(五十嵐健祐先生)にお話していたところ受動喫煙の話になり、その流れで先生から「こんなイラストもありますよ〜」と教えてもらった次第。

先生によると「結構有名なイラスト」とのことだが、私のように知らなかった人にとっては考えさせられるのではないだろうか。受動喫煙について、あるいは分煙について。もしくは、タバコを吸っている人ならば禁煙のモチベーションになるかも。

そしてもし、「分煙の限界は分かったんだけど、タバコをやめられない」という人がいたら……禁煙外来に相談してみてはいかがだろうか。

協力:医療法人社団 お茶会お茶の水循環器内科
参考リンク:ファイザー「禁煙外来」、NCBI(英語)
Report:和才雄一郎
イラスト:稲葉翔子
Photo:RocketNews24.

▼ちなみにこちらのイラストは、私が病院で見たものと同じ構図のものをイラストレーターの稲葉翔子さんに再現してもらったもの。

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