原爆がプリントされたTシャツとナチス帽の着用などで大炎上した韓国のアイドルグループ「BTS(防弾少年団)」。ユダヤ人権団体『サイモン・ウィーゼンタール・センター』が非難の声明を発表したことは以前の記事でお伝えした通り。
そんなBTSの所属事務所が騒動について謝罪文を発表したのだが、この声明に『サイモン・ウィーゼンタール・センター』が即反応しているのでお伝えしたい。
・謝罪内容
2018年11月13日夜、所属事務所『Big Hit Entertainment』はSNSなどで本騒動についての謝罪文を投稿した。「最近、BTSに提起された問題に対するBig Hit Entertainmentの立場」と題された発表の内容は以下の通り。
・原爆やナチスを支持せずこれに反対し、被害に遭われた方を傷つける意図は一切なく今後もない
・(原爆Tシャツについて)衣装自体が原爆被害者の方を傷つける目的で製作されたものではないことを確認した。しかし、十分な監修ができず、アーティストが着用したことにより被害者を意図せず傷つけることになった点にお詫び申し上げます
・(ナチス帽について)当日、撮影に関わる全ての服装とアクセサリーは該当のマスコミから提供を受けたものである。しかし、十分な監修ができず、アーティストが着用したことにより被害者を意図せず傷つけることになった点にお詫び申し上げます
・しかし、数々の日程と現場の状況等を考慮するに責任はBig HitにありBTSにはない
・(ナチス彷彿の旗について)問題提起された公演は2017年、Big Hitのアーティストが参加した韓国のアーティスト、ソ・テジの記念公演であり、画一的な教育の現状を批判する社会的メッセージを込めた “教室イデア” のパフォーマンスシーン
・むしろ、ナチスのような全体主義的な現実を批判するための創作的要素を含んでいる
・私共の活動によって心に傷を負う方がいないように、さらに注意を払います
・改めて、Big Hitがこのような点に気を配る上で至らない点があり、心に傷を負われた全ての方に丁重にお詫び申し上げます
・(対応について)日本と韓国の原爆被害者協会の関係者に接触し、現在、説明および傷つき得た方にお詫びをしております
・サイモン・ウィーゼンタール・センターに状況を説明し、本問題により傷つき得た方に対するお詫びを込めた書簡を発送しました
──とのこと。要するに、原爆Tシャツとナチス帽着用について「アーティストには責任がない」としながらも、騒動になったことについて謝罪する内容である。日本語オフィシャルHPにも公開されているため、全文はそちらでご確認頂ければ幸いだ。
・ユダヤ人権団体は?
この謝罪について、『サイモン・ウィーゼンタール・センター』が即反応。サイトで声明を発表した。タイトルは要約すると「謝罪を歓迎する」。
副学部長であるラビ・アブラハム・クーパー氏は事件について「若い世代の未来を危険にさらす歴史の暗い部分に関する知識の基本的な欠如」と指摘し、「彼らが国際的な名声を利用して悪の勢力に役立たないこと」を促すとコメントしている。
瞬く間に大炎上となった本件。日本のネットではいまだ批判の声も大きいが、この謝罪で流れは変わるだろうか? 今後に注目したい。
参照元:BTS JAPAN OFFICIAL FANCLUB、Simon Wiesenthal Center
執筆:中澤星児