ついこの間まで平成最後の夏がどうだの、猛暑がどうと言っていた気がするがあっという間に11月。暦的にも気温的にもすっかり寒く、北海道や長野では紅葉が終わり落葉が始まっているとか。
いささか冷え冷えとした印象の11月だが、実は天体イベント的には激アツ! なんと今月は、流星群が3つもあるのだ。そして今夜11月5日の夜には3つの内の1つ、おうし座南流星群が極大を迎える。特徴やおススメの観測日を紹介するぞ!
・おうし座の火球(Fireball)
おうし座南流星群の特徴を一言であらわすなら「量より質」。直近のだと8月のペルセウス座や10月のオリオン座流星群があったが、それらと比べるとおうし座南流星群は1時間あたり10個前後と少ない。
しかし「火球」と呼ばれるほどビッグでストロングな明るさを有する率が高いのだ! おや……? おやおや? 今「そんなこと言っても、言うほど明るくないんでしょ?」とか思いませんでしたか?
まあ、天体系についてはわりとそういうところあるし……気持ちはわかる。しかし、「火球」に関してはマジだ。英語だとファイヤーボール(Fireball)といかにも強そうだが、名前に負けずマジで明るいから安心してほしい。
・火球は火星より明るい
まず国際天文学連合の定義において「火球」と呼ばれるためには、見た目上の明るさがマイナス4等級以上無いといけない。なお、等級はマイナスの方向に数字が大きければ大きいほど明るくなる。
コーネル大学によると、例えば太陽はマイナス26.7である。では火球のマイナス4とはどれくらいだろうか。今年の夏の火星大接近の時の火星を例に比較してみよう。あの時の火星はルカの持つスマホのカメラでもはっきり写るほど明るかった。
国立天文台によると、あの時の火星の明るさは……マイナス2.8! あんなに明るかったのにマイナス2.8しかなかったのだ。つまり、火球の等級-4は大接近した火星よりももっと明るいということ!
いくら弾数が多くても、都市部だと明るくて全く観測できないというのは良くありすぎる話。しかし火星を越える明るさの物体が空を流れていればいくらなんでも見えるだろう。
・ピークは緩やか
そこで気になるのが天気。早速筆者も気象庁の週間天気予報をチェックしてみたが、広島や福岡、鹿児島、奄美などを除くと全国的に曇りや雨……。おのれ天気。しょっちゅう邪魔しやがって。
だがまたしても安心してほしい。今年のおうし座南流星群の極大は、5日夜からと言いつつ実はそんなにはっきりとしたピークはない。しかも来週には11月第2の流星群、おうし座北流星群も控えている。
なのでそう気張らず適当に構えるのがいいのではないだろうか。今夜は晴れているなと思ったら、温かい服装をしてでっかい火球を期待しつつ、なんとなく空を眺めるくらいでちょうど良い気がする。