みんな、コーヒーの実の部分「カスカラ」ってどんな味か知ってる? コーヒーに使われるコーヒー豆は、コーヒーの木の種子。種子ということは、もともとはそれを包む実があったわけだ。でも実はどう考えても種子であるコーヒー豆ほどメジャーじゃない。

なお筆者はそんなものが製品化されていることすら知らなかったぜ……。でも実際には一部のカフェとかで「カスカラティー」なんて名前で楽しまれていたんだってな! そんなレアなカスカラだが、伊勢丹から期間も個数も店舗も何もかも限定でカスカラのシロップを使ったスイーツが販売されているってよ! こいつは早速食べてみるしかねぇ!!

・伊勢丹新宿店限定

これから紹介するカスカラスイーツたちは、パウンドケーキ1種、カップに入ったゼリーみたいなヤツ2種だ。どれも伊勢丹の新宿店限定で2018年10月3日から販売開始となっていたもの。全て伊勢丹新宿店は地下1階の、食料品エリアで販売されている。

しかも、用意される個数はその日の各店舗の都合次第。さらに販売期間まで限定となっているぞ。期間と1日に用意される個数は3種類ともそれぞれバラバラだ。一応各店舗にて用意される大体の個数を聞いてきたので、各スイーツの所でチェックしてもらいたい。

・「ノワ・ドゥ・ブール」のコーヒーゼリー

一番最初に紹介するのはこちら。正面玄関入り口奥のエスカレーターで降りた先、エスカレーターから一番物理的に近い距離にある「ノワ・ドゥ・ブール」のコーヒーゼリー。お値段は税込みで1つ540円。10月31日までの販売で、1日に大体12個前後用意するとのこと。

三越伊勢丹グループの食メディア「FOODIE」によると、こちらはクリームとコーヒームースの上に、カスカラシロップ入りのコーヒーゼリーを重ねたもの。一番上には生クリームのカタマリが乗っている。このクリームのカタマリの影響で、見た目のボリューム的には今回食べた3種の中で一番だった。



・なんだか歯ごたえがある

ちなみに、この一番上に乗っているクリームはかなり落ちやすい印象だ。傾けないように気をつけて運んだつもりだが、20分ほど歩いて移動した後に開けてみると、かなり位置がズレていて落下寸前だった。それはともかく、さっそくカスカラが入っているというゼリー部分を食べてみると……


ハハッ、よくわからない。


申し訳ない。普通のコーヒーゼリーな気がする。この部分でカスカラチックなフレーバーを検出できないと残りは普通のコーヒームースとクリームだぞ? いったん落ち着いて水で口をゆすいだ後にもう一度慎重に食べてみる。

おや? 集中したら独特の甘味があるかもしれない。それと今まで食べたコーヒーゼリーよりちょっと歯ごたえがあるかも? ただこちら、結構量が少ないのでそんなに検証できない。あっという間にカスカラ入りの部分を食べつくしてしまった。

・普通のコーヒー系のカップスイーツとしてはウマい

総評としては、不思議な甘味を感じるそこそこにビターなコーヒーゼリー部分に、甘さ控えめなムースとクリーム。そして歯ごたえのあるゼリー部分のコントラストがウマい。一番上のクリームのカタマリは、邪魔なので真っ先にそれだけ食べてしまったためよくわからない。

筆者はこれまで3個入り88円のコーヒーゼリーや、ファミマで売ってるデカいコーヒーゼリーくらいしか食べたことがない。そんな庶民なコーヒーゼリー歴でもわかるグレードの高さはさすが伊勢丹だ。しかし、カスカラなる未体験のフレーバーを求めてきた筆者的にはちょっと物足りなかった。

・「パティスリー キハチ」のコーヒーゼリー

お次は「パティスリー キハチ」のコーヒーゼリー。お値段は税込みで1つ561円。「FOODIE」では562円と書いてあるが、筆者の手元にあるレシートでは561円だった。販売期間は10月14日までと一番短く、1日にだいたい10個前後用意。場所は「ノワ・ドゥ・ブール」から通路を挟んで斜め向かいにある。

こちらは下から順にカスカラシロップとコーヒーのゼリーを混ぜたものの上にクリーム。その上にはコーヒー味のスポンジが乗っており、さらに上にカスカラシロップで作ったジュレという4段重ね。色合いもカスカラジュレのハシバミ色がなんだか綺麗。



構造だけみると、カスカラ成分が「ノワ・ドゥ・ブール」よりも圧倒的に多いようだ。なにより一番上の層はカスカラシロップのジュレなのだから、これは期待できそう。見せてもらおうか、カスカラの味とやらを!


あっ、カブトムシのゼリー!


これは失礼。ただ、庶民……いや、実のところ庶民をはるかに下回ると思われる筆者の食歴的に、記憶にある最も近いものはカブトムシ用の樹液ゼリー。あの素朴で優しい不思議な甘味に魅了されたことがある方もそこそこいるのではないだろうか。

筆者は子供の頃にあの樹液ゼリーが好きで、たとえ飼っているカブトムシが飢えようともそんなの関係ないとばかりに食べていた。「パティスリー キハチ」が仕掛けるカスカラシロップのジュレはあの樹液ゼリーを5倍くらいに濃厚にした感じ。これは個人的には好きな味だ。心がカブトムシになる。

・やっぱり歯ごたえがある

もう一つ気になったのが、この手のゼリーとかジュレとかにしては意外な歯ごたえだ。「ノワ・ドゥ・ブール」のカスカラ入りコーヒーゼリーのときも気になったが、もしかしたらカスカラを入れようとするとやや固めになるのかもしれない。

また「ノワ・ドゥ・ブール」で感じた不思議な甘味はどうやらカスカラの甘味で間違いなさそう。ビターなゼリーの中に感じた不思議な甘味は、カスカラジュレから感じるフレーバーを希薄にしたものだ。

カスカラが目的なら断然こっち

流石は構成物質にカスカラが多いだけのことはあり、しっかりとカスカラチックにまとまっている。ただ、逆にコーヒー成分は少なめ。コーヒーゼリーというよりは、カスカラゼリー(コーヒー風味)としたほうがいいかもしれない

カスカラは中々に濃厚かつ粘りのある甘さをしているため、それだけだと人によっては甘ったるく感じる可能性がある。しかし、こちらは途中のスポンジと最下層のゼリー由来のコーヒーの苦味が実に良いアクセントとなっており、飽きさせない。スイーツとしてはやはり高いレベルにあると思われる。また、カスカラを求めていた立場としてもこれはグッド!

・「フレイバー」のパウンドケーキ

最後は「フレイバー」のパウンドケーキだ。店舗の場所は先述の二つよりもエスカレーターから一番離れた場所にある。なお、「FOODIE」では6個入り1167円としか表記が無いが、個別での購入も可能だった。筆者はとりあえず3つ買って583円支払った。単純計算だと1つで税込み194円というところか。

こちらは特に販売期間というものは無く、6個入りのセットは250点限定で、売切れ次第終了とのことだ。この辺の違いは、他の2種がナマモノなのに対してこちらはパウンドケーキだからなのだろう。筆者が訪れた際にはいっぱいあったので、一番余裕を持って買えると思う。

見た目からは、全く良くあるパウンドケーキで、何がどう入っているのか外見からはわからない。一瞬、ドライフルーツ化したカスカラでも入っているのかと期待したが、そうではないようだ。



「FOODIE」によると生地の部分にカスカラシロップが練りこまれているらしい。他にはクルミが入っているとのこと。とりあえず食べてみたところ、普通にクルミのパウンドケーキだった。また中央寄せで感想コメントがあると思った方には申し訳ない。めっちゃクルミのパウンドケーキなんや……!

・練りこんだ系のジレンマ

この手の「練りこんだ」系は、字面から感じるスペシャル感に反して、味の面ではよくわからないことが多いと思うのは筆者だけだろうか。例えばラーメンとかでも「麺に○○を練りこんだ」とかあっても、筆者の大雑把な舌では判別不能。ましてや素朴で繊細な甘みが特徴のカスカラシロップなど、生地に練りこまれた挙句に焼かれたとなっては検出できない。

TVとかに出ている美食家の方のように、食べただけで素材がわかってしまう人なら何か別の発見があると思う。悲しいかな筆者には、しっとりしていてクルミの歯ごたえと香りが良いアクセントになっているウマいパウンドケーキだった。

つまり普通に美味しいし、贈り物とかで貰ったら「これはハイグレードなパウンドケーキなのでは!?」となること間違いなしだ。しかしカスカラを味わうという点において、筆者のテイスティングレベルではちょっとよくわからなかった。

・カスカラを試したいなら「パティスリー キハチ」

ということで「カスカラって何だよ! 食べたい!!」という方に筆者が自信を持ってお勧めするのは「パティスリー キハチ」だ。こちらもう一度繰り返すが、伊勢丹新宿店限定で、10月14日まで。しかも1日に大体10個前後しか用意されない限定まみれな商品だから急げ!

もちろん他の商品も総じてハイグレードでウマいことに間違いはない。丁度直近で何か面白いスイーツの贈り物が必要という方にはどれもお勧めだと思う。「これってカスカラっていうコーヒーの実の部分のシロップが入ってるんですよ~」とか言ってわたせば、貰った方もイイ物を貰った感が増して好感度もアップするだろう。

それにしても、このカスカラジュレ……この部分だけ大量に食べたいなぁ。カスカラシロップのゼリーも大量に食べてみたい。カスカラシロップで作ったゼリーの上にカスカラシロップで作ったジュレを乗せて、間に適当にカスカラシロップを混ぜたクリームの層とかを入れたらウマいのではないかとか思う。

参照元:FOODIE伊勢丹地下1階フロアガイド
Report:江川資具
Photo:RocketNews24.

▼すごい感動したのはこれ! この箱のシールの部分、端が折られてて開けやすい! たまに買うケーキ屋ではこうなってないので多分高級百貨店だからか?
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▼実は初伊勢丹でした。
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