ブラウザに怪しいページがいきなり表示された──インターネットが主流となった今の時代、誰しも一度はそのような経験をしたことがあるだろう。もしそんな状況に遭遇したらするべきことはひとつ。落ち着いて無視してページを閉じるだけだ。

しかし、世の中そうもいかず。焦るあまり、魔の手に引っかかってしまう人も少なくない。だからこそ悪質な通知は後を絶たないのだが、またしてもパンデミックの兆しが見られたので注意喚起しておきたい。先日、筆者(私)のPCに「ウイルスが見つかりました!」なる警告ページがいきなり表示されたのだ。

・評論家と一緒に騙されてみた

いつもなら「またスパムかよ……」とページを閉じるところだが、今回ばかりは状況が違った。なにせ、迷惑メール評論家の編集長・GO羽鳥が隣にいる。これ以上心強いことはないだけに、悪の実態を探るべく評論家が見守るなか騙されてみることにした。まずはボタンを押すと即アウトなのか聞いてみた。



羽鳥「ところどころ怪しい日本語はあるけど、よくできたサイトだね〜。まぁ、見たところ最初のあたりは進んでもたぶん大丈夫。相手の目的がハッキリするところは大体わかるから、俺ならここは普通にいっちゃうかな」


「たぶん」というのが物凄く気になるが、ひとまず『今スキャンして』なんていかにも怪しいボタンを押してみた。すると、次に「ダウンロードが必要です」との言葉が表示された。どうやら私のPCは大きく傷ついていて危険度の高いウイルスが侵入したので、しのごの言わずブツをダウンロードして修復せよとのことだ。

ご丁寧にウイルスの情報も表示され、なにやら英字と数字を組み合わせたファイル名がズラズラと書かれている。しかも「スキャン中」とも高速で表示されたので、焦って騙される人ならここでアウトだろう。ただ、評論家はここで動じなかった。感染されたファイルは本当にPC内にあるのか検索に乗り出したのである。

そしてその結果、そんなファイルは私のPC内になかった。この時点でスパムだと確定した訳だが、その先には一体何があるのか。こちらも「たぶん大丈夫」という評論家の言葉を信じて『ダウンロードと修復』のボタンを押してみた。そしたらなんと……!!

・怪しいファイルがダウンロードされる

赤字で「あなたのMacは感染していませんか!」と猛アピールするページが出てきた。そしてボタンを押さずとも怪しいファイルがダウンロードされてしまった。ちなみに『今すぐダウンロード』のボタンを押しても、同じものがダウンロードされた。



終着点は『MacMechanic.pkg』なる謎のファイル。これを開くと……といったところで羽鳥は考え込むようにしてこう答えた。



羽鳥「これ以上は保証できないかも。相手の目的は『MacMechanic.pkg』というファイルを開かせることだとわかったけど、もしかしたらPCに影響があるかもしれない。何かがインストールされるのか、はたまたウイルスが入っているのか。そこまでわからないから保証できないな」


ここから後日談だが、ファイルを削除してしまってから会社のPCを生け贄にしようという話になった。そこで私のPC履歴をたどったのだが、全てのページが「エラー(not found)」になっていた。もし次に表示されたらファイルの中に何があるのか詳しくお伝えしたい。

インターネットは便利な一方で使い方を間違えると、すぐに魔の手が伸びてくる。調べてみたところ、今回お伝えしたサイトは以前にも流行したもの。もし自分のブラウザに変な表示が出てきたら、落ち着いて無視するようにしよう。

Report:原田たかし
Photo:RocketNews24.