パソコンで演奏を切り貼りできる時代。バンドにとってライブの重要度はむしろ上がっていると言えるかもしれない。ライブが良いバンドはカッコいい。とは言え、インディーズバンドだったら月3~4本、年間約50本くらいになると多い方である。
そんな中、超実力派集団のメジャーデビューが発表された。その名も「陸上自衛隊中部方面音楽隊」である。3等陸佐いわく演奏活動は年間約100回! って、え……100回……? ライブやりすぎだろ黒夢かよォォォオオオ!
・テーマは命
2018年6月27日、フルアルバム『いのちの音』をリリースする陸上自衛隊中部方面音楽隊は、兵庫県伊丹市に所在する方面総監直轄の音楽隊だ。
『恋ダンス』やAKB48『365日の飛行機』のカバー動画がネットでも話題となった本隊。今回リリースするアルバムはオリジナル曲『いのちの音』を含む “命の大切さ” をテーマにした12曲である。
・3等陸佐のコメント
と、鳴り物入りのメジャーデビューに隊員からも以下のようなコメントが寄せられているためご紹介したい。
3等陸佐 柴田昌宜「(省略)中部方面音楽隊は、年間約100回の演奏活動を行っていますので、単純に3~4日に1回、週に2回は演奏会を行っている計算になり、他の日は演奏会に向けての練習や自衛官としての訓練などを行っています。
日々の練習や訓練はとても地道で、誰に見せるわけでもなく飾ることのない努力の積み重ねです。鶫(つぐみ)3曹はいまや中部方面音楽隊の誇るソプラノ歌手として活躍していますが、普段の彼女はとても控え目で大人しく、飾らない地道さや堅実さをいく筆頭のような隊員です。
本CDには、音楽隊オリジナル曲「いのちの音」をはじめ、いのちの大切さや家族・友人への愛情、優しさを歌った楽曲を中心に収録しました。私はそれらの想いも日々の積み重ねに他ならず、我々自衛官の活動にも重なる部分が多いと感じています。
鶫3曹の歌声とそれを支える中部方面音楽隊の演奏が、聴いていただいた方々の心に響き大切なものへの想いに繋げていただければ幸いです」
──演奏活動年間100本って黒夢かよ。怒涛のライブ活動で知られた伝説のバンド『黒夢』。言われてみたら、黒夢も命について歌ってた。自傷するし、カマキリ燃やすし、逆説的に「命」を表現していたのかもしれない。
音楽性は全然違うが、陸上自衛隊中部方面音楽隊のボーカル鶫真衣(つぐみまい)3等陸曹の空に響くようなソプラノもまた天使の羽を広げている。超実力派であることは間違いないだろう。
▼ソプラノボイスが天使の羽を広げている
▼陸上自衛隊中部方面音楽隊の恋ダンス動画