日本の電車は何かとその高いクオリティが度々海外で話題になる。運行の正確さもそうだが、線路のメンテナンス等も徹底されており安心して乗っていられる。しかし、アメリカには我々の予想を上回る線路の状態にもかかわらず現役で使用されている線路があるようだ。

・線路歪みすぎィィ!

海外サイト「Delay In Block Productions」によると、問題の線路はナポレオン・ディファイアンス・アンド・ウェスタン鉄道がオハイオ州で管理しているもの。この線路にはなんと50年以上もメンテナンスされていない区画があるらしい。

サムネイル画像ですでに線路の尋常じゃない歪み具合が確認できてしまうのだが、実際に動画「Train derailment on the ND&W Railroad」を見てみると……あまりのクレイジーさに笑いが止まらないッ! 正直、電車が線路を走っているだけの動画でここまで笑ったのは生まれて初めてである。

・なぜこうなってしまったのか

なぜ誰もここまで悪化するまでにメンテナンスしようと思わなかったのだろうか。調べてみると中々興味深い歴史が明らかになった。

南北戦争の影響で、この線路が本格的に運営され始めたのは1870年後半になってから。当初の運営会社がこの路線を別の鉄道会社にリースすることになり、1959年の時点でメンテナンスを停止。この時点で、土壌が湿地帯であったことなどにより既に改修が必要な状態だった模様。

・そして始まる悪循環

その後も、この線路は割と短いスパンで何度も持ち主が変わる。また、路線の需要がそこまで高くないことも災いして、改修やメンテナンスは一切無し。そうこうしているうちにも線路の状態は悪化の一途を辿り、修理にかかるコストは増していく……!

しかし、その膨大なコストをカバーするだけの収益は得られず。それでも完全に閉鎖してしまうのは困るということで、現在も使い続けているのだそうだ。とはいえ、いつまでもこのままではマズいのは明らか。鉄道会社もそれは認識しているのだが、いまだにクレイジーな区画が残っている状態だ。

ちなみに、この線路は世界中の鉄道ファンの間でもそれなりに有名なようで、線路の歪み具合や脱線しながらも走行を続ける様子をネット上で見ることができる。しかし、ここまでガタガタな線路を走る列車の乗り心地はどんなものなのだろうか……少し乗ってみたくもある。

参照元:Delay In Block Productions(英語)、YouTube
執筆:江川資具

▼0:49辺りからは一部脱線したまま走っている