保育園にお子さんを通わせている保護者の皆さんにとって、朝は冗談抜きで戦場だろう。子供を起こし、検温、朝食を用意、身支度をさせカバンのチェック! お子さんが小さければ食事や着替えのお手伝いだって必要だ。
私(沢井)には1才の娘がおり、朝の準備はできるだけ前日に用意するようにしているが、それでももう少し余裕が欲しい。そこでふと思った。検温の時間も短縮しちゃいたい。世の中には「おでこに “ピッ!”」と一瞬ではかれる体温計があるではないか。あれを使ったら……幸せが訪れそうだ。
・非接触型体温計を比較してみた!
入園より約1年、子供の体温はずっと脇タイプの体温計で測っていたのだが、動き出すようになり、検温中に電源を切ってしまったり、「シャッ!」と脇から抜いてしまったりとやたらと検温に時間がかかるように。
そこで「おでこに “ピッ!”」こと、非接触型体温計に興味を持つようになったのだ。でもたくさん種類があるし、高いし、特に精度や使い勝手が気になるところ。というわけで、以下の3種類を実際に比較してみた
【Amazonベビー体温計部門1位!】
『ピジョン おでこで測る体温計 チビオンTouch』購入価格7436円(定価1万3500円)
Amazonのベビー体温計部門1位(2018年5月)の商品。Amazonの高評価はサクラの可能性も捨てきれないが、レビュー件数、そして全国のパパママから絶大な信頼を得ている『ピジョン』のものだったので信じることにした。
・主なスペック
・おでこにあてるタイプ
・検温時間:1秒
・温度精度: ±0.1℃(35.0~39.0℃) / ±0.2℃(32.0~34.9℃、39.1~42.0℃)
【激安! とにかく激安!】
『ドリテック TO-300 赤外線体温計』購入価格:2850円(定価不明)
安い。とにかく安い。心配になるほど安い。他の赤外線体温計が5000~1万円前後なのに対し、3000円でお釣りがくるという激安価格。しかもレビュー評価もそう悪くはない。検温場所がおでこに耳とシーンによって使い分けられるのもイイ。これでお役立ちならコスパ最強であろう。
・主なスペック
・おでこにあてるタイプ / 耳にあてるタイプの両用
・検温時間:2秒
・精度:±0.3℃(32.0℃~35.4℃、42.1℃~42.9℃) / ±0.2℃(35.5℃~42.0℃)
【保育園で使っている】
『エジソンの体温計Pro』購入価格:6508円(定価9800円)
入園前、一時保育でお世話になった園で使用していたもの。知らない会社と思ったらドイツのメーカー。さらに現場で使われているものなら信頼できそうだ。後で調べたところ、Amazonのベビー体温計部門2位(2018年5月)の商品であった。
・主なスペック
・こめかみにかざすタイプ
・検温時間:0.7秒
・精度:±0.2℃(36.0~39.0℃) / ±0.3℃(39.1~42.5℃、22.0~35.9℃)
※それぞれのスペックは公式サイトより引用
・7日間、1才児で試してみた
検温時間の短縮ぶりがヤバイ。一番長いドリテックでもたったの2秒だ。では使い勝手や表示の体温はどうなのか、参考に脇ではかるテルモの体温計も含めて4機種で測り比べてみたぞ。期間は7日間とした結果……。
・平熱時は問題なし / しかし高熱で微妙な違いが……
平熱時はほとんど変わりなかったが、期間中に子供が発熱! グングンと熱があがり、体を触った感じでは38.5℃くらい。テルモでは、思った通り38.5℃前後だったのだが、ドリテックとエジソンで36度台をマーク。ピジョンも37.4℃という結果に。
テルモも予測式なので、これを絶対的な基準にはできないが、各社バラバラな結果となったのだった。
この結果が「精度」によるものかは、これだけでは判断できない。メーカー指定の「正しい使い方」をしているつもりだが、実際に正しく使えているかどうか客観的に評価できないからだ。
発熱という子供につきものなシーンで比較できたことは気づきもあったが、子供もグズりがちだったので「正しく」測れなかった可能性もある。
・そのなかで気に入ったのは……コレだ!
それを差し引いての主観的な意見になるが、使い勝手なら「ドリテック(耳)→ピジョン→ドリテック(おでこ)→エジソン」というのが正直な感想だ。
耳はシュポっと入れたらおしまい、おでこも範囲が広い。ただ、エジソンだけはこめかみだ。体温計が要求している「こめかみ」の位置がイマイチわからず、また起きているときにこめかみを狙うのがなかなか難しかった。ねんね期の赤ちゃんか、じっとしていられる年齢ならまた話が変わってくるだろう。
さらにコスパを考慮すると、ドリテックがいいんじゃね? 安いし、平時は「そんなものだろう」という数字が出て来るし、体が熱いのに平熱の数値など明らかにおかしいときは脇タイプで測りなおしたらいいし……と結論付けようとしたそのとき! まさかの事態が発生したのである。
子供が、ピジョンの体温計を使って自分で検温していた。
自分で電源を入れ、おでこにあてるようになったのだ。ピジョンの体温計なら丸くて大きいので、1才児に渡してもケガや誤飲の心配は少なそう。朝の手間がひとつ省けて、僥倖なり僥倖なり! 完全にドリテックに流れていた心が、ピジョンに大きく傾いたのだった。
・現役保育士にも聞いてみた
……と、最後は個人的な話になってしまったが、現役の保育士さんに聞いてみたところ、非接触型体温計は「とても便利」としたうえで、こう答えてくれた。
「たしかに非接触型のものはたまに “アレッ?” って数字が出ることがありますね。
数字は低くても、体が熱い、顏が赤い、元気がないなど、何かしら様子が違うことがあれば脇で測るタイプのもので測りなおした方がいいと思います! 園ではそうしてますよ~」
とのことだった。どのメーカーのものを使うにしても、やはり二刀流がよさそう。非接触体温計は高価なのに、お試しできる場所も少ないので参考にしていただければ幸いだ。
参考リンク:ピジョン『チビオンTouch』、ドリテック『TO-300 赤外線体温計』、エジソン『体温計Pro』
Report、イラスト:沢井メグ
Photo:Rocketnews24.
▼こちらが今回比較した3種+参考のテルモ。なおドリテックとエジソンはミルクやお風呂の温度の確認にも使えるぞ! 用途にあったものを選ぼう