物理的な暴力を振るわなくても、言葉や態度、目線一つで他者を傷つけることは出来る。やった方は大したことだと思っていなくても、やられた方は見えない傷を負い、徐々に追いつめられていく。

この度、IKEAも『イジメに関する実験動画』を発表しては、そのことを伝えようとしている。2つの植物に対して「意地悪な言葉」と「優しい言葉」を浴びせ続けたところ、一目瞭然の結果が待っていたのだ……。

・「意地悪な言葉」はどれだけ植物を傷つけるのか?

「人びとがお互いに敬意を持って接することで、幸せは広がっていく。私たちはそう信じています」── そんな言葉とともに動画『Bully A Plant: Say No To Bullying』は始る。

IKEAは2つの鉢植えを用意し、片方には「誰もお前のことなんか好きじゃない」 「あなたがいるのは間違い」「役立たず」といった “意地悪な言葉” を、もう片方には「そのままでいいよ」「あなたのおかげで世界が変わるわ」「君はとても美しい」といった “優しい言葉” を浴びせていく。

・1カ月後には……

最初は全く同じコンディションに見えた2つの植物だったが、1カ月間この実験を続けたところ、それぞれが全く違った変化を見せていったという。

動画では1カ月後の “アフター” が公開されているが、その歴然とした違いにハッとしてしまう。「優しい言葉」をかけられた植物は元気ハツラツとした姿を見せているのに対し、もう一方の「意地悪な言葉」をかけられた植物は無惨な姿になっているのだ。葉は枯れ、どうにも元気がない。

この違いを見た1人の少女は、動画の中で「植物にも影響を与えるのだから、意地悪な言葉は人にも影響を与えるわ」と感想を述べている。

・植物は言葉を理解するのか?

だが、植物は「意地悪な言葉」と「優しい言葉」にこれほど大きな影響を受けるものなのだろうか? そう思った人は多かったようで、YouTubeのコメント欄には「ものすごくウソっぽい……」「植物が言葉を理解するとか本当?」といった疑問の声が並ぶ。メディア『indy100』もこの実験結果を「奇妙だ」とし、言葉の良し悪しが植物に影響を与えることは証明されていないはずだと伝えている。

だが自分が実際にかけられた意地悪な言葉を思い出していくと、植物だってあんな風に枯れ果ててしまいそう……という気持ちにもなってくる。それほど意地悪な言葉は、無力感を抱かせる強い力を持っている。

以前、「意地悪な言葉がいかに人の心を傷つけるか」リンゴを使った授業が話題となったことがあるが、今回のIKEAの実験動画からもその授業と同じことが伝わってくる気がするのだった。

参照元:indy100YouTube(英語)
執筆:小千谷サチ

▼IKEAの実験動画(英語)