決してお行儀がいい行為ではないが、ふとした瞬間に “舌打ち” してしまう人はいるだろうか? 私(P.K.サンジュン)はなるべく舌打ちしないように気を付けているつもりだが、それでも本当に悔しかったり苛立ったりしたときに、ついつい舌打ちが出てしまう。

部屋で1人きりで舌打ちするならまだいいのだろうが、周囲に人がいる場合はやはり舌打ちはしない方がいい。なぜならその昔、男子高校生に舌打ちされた私がとっさに取った行動で、彼はとんでもなくブルーな気持ちになったと思うからだ。

・ガラガラの電車内で

あれはもう10年ほど前のことだろうか。その日は確か休日で、私はどこかに出かけるため地元の駅から地下鉄に乗ったのだと思う。休日の電車はガラガラで、ほとんどが空席だったと記憶している。

電車に乗った私は車内を移動し始めた。電車に乗り込んだ場所と目的地の改札が遠いのがイヤで、車両から車両へと歩いて移動し始めたのだ。先述のように車内はガラガラ、もうそろそろ目的の車両へ到着する……そんな時だった。

・突然の舌打ち

車両のドアを開けてすぐのところにある “3人掛けの席” を通り過ぎようとしたところ、


──チッ


……と舌打ちが聞こえたのだ。

私は反射的に舌打ちがした方向に首を向けた。そして気付いたときには口から、


俺? 俺? 俺? え、俺?


……と自分の口からとめどなく “オレ?” が溢れ出していた。

そこにはヤンキーというよりはむしろ真面目そうな印象の男子高校生が1人で座っており、黒ぶちのメガネをかけていたと思う。もちろん私は彼の足を踏んだわけでもないし、かすってさえいない。だからこそ逆にビックリして「オレ?」が反射的に出てしまったのだ。

彼は視線を合わせようともせず、震えながらただ一点を見つめていた。私が無意識に彼の前で放屁でもしてしまったのだろうか? いや、それはない。私のオナラは誤魔化しようがないほどニオイの存在感があるからだ。

・外での舌打ちは危険

結局、彼が目の前を通り過ぎようとした私に向けて舌打ちをしたのか、それとも自発的に舌打ちをした瞬間に私が目の前を通ったのか、今では知る術もない。時間にすれば10秒足らずのできごとであったが、この経験から私は「外で舌打ちすると無用の人間を巻き込む可能性がある」と学んだのであった。

シチュエーションにもよるだろうが、いくら親しい人でも “舌打ち” はあまり聞きたくないものだ。基本的には下品で失礼な行為とされているので「瞬発的に出てしまう」という人はなるべく舌打ちを抑え込む努力をした方がいいだろう。

執筆:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.

▼一応、置いておきます。