中国には四大古城と呼ばれる場所がある。長い歴史を持つ古い街のことを指すのだが、四川省にあるロウ中は完璧な形で保存されていることで有名だ。その割に知名度はそこまで高くなく、日本人がほとんど訪れない穴場的名所と言えるだろう。
また、ロウ中は「三国志」の張飛が部下に殺された地でもあり、市内にはその墓が建てられている。三国志ファンにとって聖地と呼べる場所なのだ。さて、先日私(あひるねこ)は2300年以上の歴史を誇るこの古城を訪れた。風情ある街並みに、まるでタイムスリップしたかのような感覚を覚えたものだ。今回はその時の様子をお伝えしようと思う。
・中国四川省・ロウ中
ロウ中へは、四川省の省都・成都から新幹線で向かった。2時間以上かけて駅に到着すると、今度はそこから20分ほどバスに揺られる。ちなみに、バスの乗車料金は2元だ(約40円)。なんという安さ。
辿り着いたロウ中は、嘉陵江(かりょうこう)という大きな川沿いにあった。雄大で非常に中国的な雰囲気がある嘉陵江。私(あひるねこ)はすっかりこの川が気に入ってしまった。では、さっそくロウ中の街を歩いてみよう。
・中国四大古城を歩く
旧市街はどの建物も美しい瓦屋根で、何とも言えない趣を感じるまさに古都だ。古い街並みを再現しました、という感じではなく、本気で古い街なのがすごい。数多くお店が並ぶものの、そこには観光地的な張りぼて感はなく、人々の生活が営まれる街として現在も機能している。
・ロウ中の名物
ロウ中に行ったなら、名物「張飛牛肉」をこれまた名物の「張飛ビール」でいただきたいところ。「張飛牛肉」とは、まあビーフジャーキーのようなものである。街中の至る所で販売されており、お店で食べることもお土産に買うこともできるぞ。ぶっちゃけ高い気もするが、そこは張飛ゆかりの地ということで目をつぶろう。
かの有名な科挙試験(官僚登用試験)が行われていた貢院(こういん)など、見るべき場所はたくさんあるものの、ただ街を歩くだけでも十分楽しめるあたり、さすが中国四大古城である。麻雀のような謎のゲームに興じるお年寄り、自由に街を歩き回る放し飼いにされた犬……。街並み以外にも、そこら中で濃ゆい中国をたっぷりと味わうことができる。
・漂う非日常感
一応観光地なのに、夜になると一気に人気がなくなってしまうロウ中。私が行った時は日本人はおろか、中国人以外の姿をほぼ見かけなかったため、「ああ、自分は外国にいるのだな」という不思議な感慨を覚えた。ちなみに、治安の悪さを感じたことは一切なかったことも記しておきたい。
中国の内陸部にある四川省、そしてロウ中は、ある程度中国に詳しい人が一緒じゃないとなかなか行きづらい土地かもしれない。しかし、上海のような大都市と比べ、よりディープな中国を味わえるという意味では、非常にチャレンジし甲斐があると思われる。三国志ファンはぜひ。
Report:あひるねこ
Photo:RocketNews24.
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▼ロウ中駅に到着
▼嘉陵江(かりょうこう)
▼ロウ中の旧市街を歩く
▼張飛ビール
▼張飛牛肉
▼科挙試験が行われていた貢院(こういん)
▼ここに張飛の墓がある
▼街から少し離れるが、カッコイイ張飛の像を見ることができた