ロケットニュース24

【実録】海外のATMでクレジットカードが飲み込まれる → 翌朝帰国なのに「取り出せない」と言われる → スマホの “ある機能” で乗り切った話

2018年2月11日

当然ながら、海外旅行に行くならクレジットカードだけでなく現地のお金が必要だ。日本の空港などで両替するか、現地で両替するか、はたまた現地のATMでキャッシングするか。私(あひるねこ)の場合は、いつもクレジットカードを使ってATMで下ろしている。

先日中国に行った際、帰国前日になって手持ちが心もとないと感じた私は、その日もいつも通りATMにカードを差し込んだ。しかし、カードが戻ってくることはなかった。そう、機械に飲み込まれたのである。30年以上生きてきて初めての経験だ。

そんな大ピンチを、よりによって中国で迎えてしまった私は、それはそれは焦った。正直、思考が停止しかけた。結果的に、スマホの “ある機能” を使ってなんとか事態を乗り切ったのだが、今回はその時の話をしようと思う。

・中国でATMを使うも……

先日、中国の成都を訪れた。麻婆豆腐や火鍋など、激辛料理で有名な四川省だ。翌朝の便で帰国する予定だった私は、お土産用の資金を調達するため目に付いたATMに立ち寄り、クレジットカードを機械に差し込んだ。

ところが、何やらエラーが発生した様子。どうやらこのATMはVISAカードが使えないらしい。はは、私としたことがうっかりしていた。では違うATMに移動するか、と思いカードの返却口に手をかざすも、なかなか出てこない。遅いな、と機械に目をやると、そこには「カード忘れんなよ。じゃあな」的な表示が。……え? 私のカードは?

・緊急事態

しばらくATMの前で呆然とする私。一体何が起きたのだろう……。そういえば今何時だっけ? お土産どこで買おうか? 最後の晩は何食べようかな? 意味不明すぎて若干脳がバグった後、ついに認めたくない現実を受け入れる時が来た。


「カードがATMに飲み込まれちゃった」


はい! 終了です。完全に終わりました。どうすんのこれ? ねえ、どうすんの? あああああああ、何も考えたくないよおおおおお~。もう、殺せ……ッ! いっそのこと殺せェェェェエエエエエエエ!! まだ何もしていないのに、すでに万策尽きた状態になった私。文字通り、パニックである。

・絶望的な状況

銀行併設ではない無人のATM。これが日本での話だったとしてもおそらく焦るはずなのに、ここは世界屈指のフリーダム国家・中国だ。さらに、私も同行した友人も中国語がペラペラというわけではない。観光ならそれでもなんとかなるが、こうなった場合どうすればいいのか見当がつかなかった。つまり、完膚なきまでに詰んだのだ。

・救いの手

わらにもすがる思いで、翻訳ツールを使い清掃のおばちゃんに聞いてみるも、当然分かるわけがない。が、そのおばちゃん、すぐさま近くにいた40代くらいの上品なマダムに声をかけ出したではないか。するとマダムは、ATMを見ながら銀行に電話をかけてくれたのである。お、おばちゃん……! マダムッ……!!

・しかし状況は変わらず

さて、その後どうなったのかを簡単に書こう。英語が分かるオペレーターになんとか繋がったので、少しなら英語を話せる友人がどうすればいいか聞いてくれた。結果……「あ~無理っすね。取り出せません」の一点張り。電話の向こうでソーリーソーリー言っている。ガーン! おい、マジかよ……。

・日本への電話は必須

マダムたちと別れた私に残された手段は1つ。カードを止める。それも速やかに。しかし、ここは中国だ。日本のカード会社に電話をかけるのに、どれだけの料金がかかってしまうのだろう? おそらく手続きは数分では終わらないはずなので、どんな高額請求が来るか、まるで未知である。だがしかし……。


この後、私はスマホのLINEを使って簡単に、かつ予想をはるかに下回る金額で事態を収めることができたのだが、その詳細は次ページでお伝えしよう!

参考リンク:LINE
Report:あひるねこ
Photo:RocketNews24.

今回、私はLINEを使って事態を乗り切ったわけだが、もしかしたら他に最善の方法があったのかもしれない。しかし、この時の私は正常な精神状態ではなかったので、その点をご理解いただけると幸いだ。

・カード会社に連絡

さて、私はまずカード会社のホームページで、紛失した場合どこに連絡をしたらいいのかを調べてみた。もちろん会社によって微妙な違いはあるだろうが、大体の内容は以下の通りである。

・24時間対応しているので、直接電話をしてほしい
・番号は国ごとに分かれている
・携帯からかける場合、別途海外使用料が請求されることがある

・ハードルが高い

なるほど。だが、ここでさらなる問題が起きる。中国用の番号が書かれていないのだ。なんと、中国などの一部の国からかける場合は、現地ホテルのフロント、または電話局のオペレーターを通してしか連絡できないという。いちいち難易度高いな。そんなんスラスラできたら、さっきから苦労してないぜよ。それに料金も不明だ。

一刻も早くカードを止めて安心したい。でも高額請求は怖い。なんとかならないかと調べているうちに、我々はLINEを利用するという選択肢に気付いた。あれ? これイケるんじゃないか?

・LINEを使い日本に電話

正確に書くと、利用するのはLINEの機能「LINE out」だ。これは、広告を見ると国内外への通話が最大5分間無料になるというサービスである。通常、LINEを利用している人同士なら無料で通話することができるのは周知の事実だが、「LINE out」なら固定電話へもかけることができる。

・クレジットを購入

最大5分間無料と書いたが、5分以上通話する場合や、一部の国から電話をかける場合は「コールクレジット」と呼ばれるプリペイド式のクレジットの購入が必要だ。実際に購入画面に進んでみると、240クレジットを240円で買うことができた。

・長時間の通話が可能

LINEのホームページによると、中国からの通話の場合、かかる料金は1分あたり1クレジット。つまり、240円払えば240分も通話することができるのである! それだけあれば十分だろう。さっそく購入し、カード会社に電話してみることに。

ナビダイヤルやフリーダイヤルには繋がらないものの、東京23区の市外局番である「03」で始まる番号には……か、かかったァァァァアアア! 受話器の向こうから日本人のオペレーターの声が聞こえてくるではないか。もしもし! もしもし! 頼む、私のカードを今すぐ止めてくれェェェェェェエエエエ!!

・解決

結局、40クレジットほど消費して無事にカードを止めることに成功したのだった。カードの再発行に1カ月近くかかってしまうらしいが、手数料はかからなかったので実質240円で解決したことになる。高額請求にビクビクしながら残りの時間を過ごすことを考えれば、これで済んでよかったと心から思う。

・備えは必要

言葉が分からない国で想定外の事態にぶち当たる。それはとてつもなく恐ろしいことだ。実際、海外のATMでカードが飲み込まれた経験がある人は多いようなので、いつあなたもそうなるか分からないぞ。だが、もし同じ状況に陥ってパニックになった時は、どうかこの記事のことを思い出してほしい。大丈夫、私みたいに何とかなる!


最後に、ATMで助けてくれたおばちゃんとマダムにもう一度感謝を。2人とも日本語はおろか、英語だってほぼ話せなかったものの、それでも自分の携帯を使って電話をかけてくれ、我々に長い時間付き合ってくれた。アクシデント中は最悪な気分だったが、実は素晴らしい経験をしたのではないかと、今にして思う。

参考リンク:LINE
Report:あひるねこ
Photo:RocketNews24.

▼「LINE out」は、広告を見ると国内外への通話が最大5分間無料になる

▼5分以上通話する場合や、一部の国から通話する場合は「コールクレジット」と呼ばれるプリペイド式のクレジットの購入が必要

▼右下の「設定」をタップすると……

▼購入が可能

▼240クレジットを240円で買うことができた

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