「何かやってもらいたいことがあるなら、頼まなきゃ。誰も、あなたの頭の中を読める訳じゃないんだから」。あなたはこんなことを言われた経験があるだろうか? つまり “察してちゃん” はダメ。要求があるなら、自分のお口を開いて相手に伝えましょう……ということ。

うーん、こう言いたくなる気持ちは分かる。一緒にいる人がず〜っと黙ったまま仏頂面だったら、「黙っていても分からないよ! 言いたいことがあるなら言って!!」なんて叫びたくなるもの。

その一方で「いや、頼まなくても、自分で判断できるでしょ?」という場合もある。例えば、パートナーとの家事分担などがそうだ。この度も家事を1人でこなしている女性が「いやいや、ちょっと待てよ!」と、冒頭の台詞に対して反論し、話題となっている。

・パートナーに「あれやってこれやって」と指示をしてみた

反論を行ったのは、ブロガーである Constance Hall(コンスタンス・ホール)さん。女友達に「家のことは全部私がやっている」と愚痴をこぼしたとき、「あなたの頭の中は誰も読めないんだから、要求は口に出して伝えなきゃ」とのアドバイスがあったのだとか。

そこでコンスタンスさんはその言葉に従って、やってもらいたいことをパートナーに逐一お願いしてみたそう。「ゴミを出してくれない?」「子供と一緒に起きてね。私は329年も続けているくらい疲れちゃったから」などなど……。

・「何も言われなくても食器くらい洗ってみなさい、クソッタレども」

するとパートナーはお願いされた通りに物事を次々とクリア! コンスタンスさんが “全部自分でやらなければならない状況” は脱したそう。

おお! 頼んで大正解!! めでたしめでたし……という訳にはいかなかった。「でも……」とコンスタンスさんは次のように続けている。

「でも、何をやってもらうか考え、口やかましくアラ探し続けるのに疲れ果てた。それに私がお願いしなかったらどうなると思う? また、何もしなくなるんだから」

そして彼女はこう主張する……

「助けを求めるのがあなたの仕事ではないし、“やってほしいことリスト” を書くのも私の仕事ではない。するべきことは山ほどあるんだから、私に何をやればいいか聞かないで。それを教えるのは私の役目ではない。とにかくやって。とにかくお互いのことを考えて、どうやって家のことを切り回せばいいか頭を使って」

「口やかましい要求がやみ、やる事が無くなったら、静かな恨みだけが残るもの。それが2人の関係を壊すのよ。自分が何をすればいいか判断するのは、誰かではない。あなたの仕事なの」

そして最後に「たまには何も言われなくても食器くらい洗ってみなさい、クソッタレども」と締めくくっているのだった。

・ネット上では賛同の声「“手伝う” って言い方が嫌」など

この投稿は Facebook 上でたちまち話題となり、10万回以上シェアされ、3万件以上のコメントが寄せられることに。その多くが以下のような賛同の声だ。

「私も “何をするか聞けばいい” という姿勢が大嫌い! この家で私だけに目がついているの? あなたには洗っていない皿の山が見えないの? 汚いカーペットが見えないの?」

「 “手伝う” って言い方が嫌だよね。全てが女の責任で、男はお手伝いするだけでいいって感じで。それは違うよ! 責任は両者がシェアすべきだし、平等に働かないと」

「“全員が座れるまで、誰も座ってはならない” という言葉を結婚カウンセラーから教わった。片方がなにか仕事をしているなら、もう片方も一緒に立って仕事をすべきということよ」

・当事者意識が大切なのでは?

日本でもパートナーに家事をしてもらおうと苦心している女性は多い。テレビやウェブ、雑誌などあらゆる所で “夫に家事をやってもらうコツ” などが特集されては、「口に出してちゃんと指示をする」「どれだけお互いが家事を分担しているか可視化する」「とにかく褒める」など様々な方法が指南されている。

それを興味深く読みながらも、同時に「なぜ1人の大人に家事をさせるために “教育” したり、おだてなければならないのか」とモヤモヤするものだ。男性側にも、長時間労働や妻からの家事ハラ(妻から家事のやり方についてキツいダメ出しをされる)など、 家事ができない事情や背景があるとも言われている。

だが少なくとも “手伝う” という感覚を捨てて当事者意識を持てば、 パートナーから「たまには何も言われなくても食器くらい洗ってみなさい、クソッタレども」という気持ちを抱かれることはなくなるのではないだろうか?

参照元:Facebook(英語)
執筆:小千谷サチ
Photo:RocketNews24.

▼こちらがコンスタンスさんの投稿