2018年1月22日、関東地方を大雪が見舞った。あっという間に交通網は麻痺し「改めて東京は雪に弱い」と実感した人も多いのではなかろうか? 一方で北の大地・北海道では当たり前のように雪が降り、今日もバリバリの氷点下を記録している。

さて、私(P.K.サンジュン)は前職時代、北海道を行ったり来たりする出張生活を送っていた。それまで1度だけ北海道旅行に出かけたことがあっただけの私は、雪国文化にカルチャーショックを受けたものである。中でも忘れられないのが「水道管凍結事件」だ。

・極寒の地

あたり前のことだが、北海道はメチャメチャ寒い。凍てつくほど寒い。私は札幌のすすきのエリアに住んでいたのだが、秋に凍った水たまりが春まで溶けない……なんて現象も普通にあった。

北海道民の冬対策はやはり抜群で「転んだ時のためにポケットに手を突っ込まない」などの歩き方を始め、冬靴(冬用のすべりにくい靴)の存在や自動車運転のポイントまで、北海道に赴任した私は、彼らから様々なことを学んだものだ。

中でも後々になって大惨事として私の頭に刻まれたのが「水抜き」である。水抜きをしないと水道管の中の水が凍結し膨張、水が出ないだけではなく水道管自体が破裂してしまう恐ろしい事故である。そして私もこの被害をもろに受けた。

・1週間不在にした

あれは北海道に赴任して1年目の冬のことだっただろうか? もちろん札幌はバリバリの氷点下、最高気温が2度あると地元民が「今日はあったかいねぇ」なんて笑えない道民ジョークを抜かす極寒地獄のさなかであった。

当時の私は会社が用意してくれた雑居ビル(中は住宅仕様)に住んでいたのだが、一通りの仕事を終えた私は何も知らずにそのまま東京へ帰ってしまったのだ。これが後々、大惨事を巻き起こすとも知らずに……。

あとはご想像の通り、約1週間後に舞い戻った札幌の我が家は至るところ水浸し、クローゼットの中も大切な漫画もすべて水に浸っていた。不在にしたわずか1週間でまんまと水が凍結し、水道管も破裂してしまっていたのだ。

・生活してれば問題なし

聞けば普段生活している分には、水抜きの必要はないらしい。なぜなら水は動いていると凍りにくく、さらには部屋の暖房などが水の温度を氷点下まで下げないからだ。だが3日ほど家を空けるとあっという間にカチンコチン、運が悪ければ私のような大惨事に見舞われるという。

そのため道民は「真冬に3日以上家を空けるときは絶対に水抜きをする」そうで、なんなら水道管に “水抜きスイッチ” が設置されていた。水抜き……スイッチ……! おそらく私はあの経験がなければ、水抜きの大切さを知らずに一生を終えたに違いない。

とにもかくにも、北海道民には「水抜き」があたり前の概念として存在し、水道管には水抜きスイッチや水抜き栓が付いている。もし「これから北海道に移住する!」という方がいたら絶対に覚えておいた方がいい。

参考リンク:札幌水道局「水道を凍結させないために」
執筆:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.

▼そういえば札幌で雪だるまは滅多に見なかった。あたり前すぎて作らないんだろうなぁ。