2017年11月10日、日本から旅だった荻田泰永(おぎたやすなが)氏。11月15日に南極大陸に上陸し、同月17日から冒険をスタート。無補給単独で南極点を目指し、約1100kmもの距離を徒歩で進む長い道のりが始まった。

日本人初の偉業を成し遂げるために、100kg超のソリをひき、ただひたすら歩くだけの冒険は、ようやく終わりを迎える。冒険開始から49日目の行程を終え、予定通り50日目に南極点到達することになるだろう。

・荻田氏からの定期連絡(日本時間 1月5日)

現在地:南緯 89度54分 西経 75度29分
この日の移動距離:28.4km
標高:2810m
天候:曇りのち晴れ
気温:マイナス23度

・すでに基地を目視できる

南極点まで、残り11km。現在の荻田氏の場所から、アムンゼンスコット基地はすでに目視できているそうだ。残り25kmの地点から水平線に黒いものが見え始め、カメラでズームしたら施設を確認できたという。荻田氏は定時連絡でこう伝えている。

「あそこを中心軸にして地球が自転しているのだなぁと、南極点が目視できた感慨よりも変に感心しました」

ゴールに到達することよりも、自然の神秘に心を奪われてしまったようだ。歩き続けた疲労よりも、地球の不思議に魅了されてしまうとは、さすが冒険家である。

・最後まで気を抜かず

あと半日の行程で確実にゴールにたどり着く。とはいえ、最後の最後まで油断は禁物。荻田氏自身も「最後まで気を抜かず、いつも通りにのんびり歩いて南極点に到着したいと思います」と気を引き締めている様子。

もう着くぞ! 荻田泰永。日本人初の快挙を達成するまで、もう少しだ!!

協力:荻田泰永南極遠征事務局
Photo:荻田泰永, used with permission.
執筆:佐藤英典
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▼地図上ではすでに南極点にたどり着いている。ゴールまであと11kmだ!