mixi……そう聞いて「懐かしい」と思う人もいれば「なんだそれ?」とその存在を知らない若者もいるかもしれない。現在はモンストを始めとするゲーム事業が絶好調のmixiだが、当時は誰もが運用する元祖SNSであり、日本にSNS文化を根付かせた功績は大きい。

コレはむかーし、むかしの話である。mixiの絶頂期だから、もう10年以上前になるだろうか。私(P.K.サンジュン)が他愛もない理由でユーザー名を「大沢かたお」にしていたら、大沢たかおさんのファンからフルボッコにされた話をしたい。

・似ていると言われた

mixiに限らずSNSのユーザーネームは比較的自由度が高い。本名で登録した方がいいのはFacebookくらいのもので、TwitterやInstagramなどは適当な名前でも不便はない。むしろ身元を明かしたくない人は、本名と絡まないユーザーネームにしているハズだ。

さて、なぜ私がユーザーネームを「大沢かたお」にしたのか──? もちろん俳優の「大沢たかお」さんに由来しているのだが、ただ単に何人かの知人から「ちょっと大沢たかおに似てるよね」と言われたからであった。

誓って言うが、私は自分から「俺って○○に似てない?」とアピッたことはただの1度もない。もう1度言う、ただの1度もだ。中学生時代までさかのぼると「稲中の前野」や「山本太郎」はたまた「原田大二郎」なんて言われてきたが、いわゆるイケメンに似ていると言われたことはなかった。当然である、私はイケメンではないのだから。

・超嬉しかった

だがしかし、20代の半ば頃に知人から「サンジュンって大沢たかおに似てない?」と言われたことをきっかけに、これまで20回以上は「大沢たかおに似ている」と評していただいている。私は嬉しかった──。奇跡的な角度かもしれないし、髪型だけかもしれない。それでも超実力派のイケメン俳優に似ていると言われた事実に私は喜びを抑え切れなかった。

そんなときに流行し始めたのがmixiである。これまで原田大二郎として過ごしてきた私が、大沢たかおさん風のユーザー名にしてしまうのも無理はないだろう。何の悪気もなく「大沢かたお」と登録してしまったのだ。

仲の良い友人たちからは大不評であった。「似てねえよ!」「いい加減にしろ!」と怒られたが、私は気にしない。なんならアイコンをネットで拾ってきた大沢たかおさんの画像にしていた。私は大沢かたおとしてmixiライフを楽しんでいたのだ。

・攻撃開始

そんなある日のこと。見知らぬ人から私宛にメッセージが届いた。今でも覚えている、メッセージの件名は、


ふざけないでください


……であった。一瞬何のことかわからなかったが、メッセージに目を通して凍り付いた。そこには「大沢たかおさんを利用するな」「アルバム見たけど全然似てないよ」「ファンの気持ちを考えてください」……的な罵詈雑言がテンコ盛りで綴られていたのだ。

とりあえず私は一息つき、メッセージを見ていないことにした。相手は見ず知らずの他人である。いちいちリアクションする義理は無いハズだ。しかし翌日、今度は昨日とは違う差出人5人から同様のメッセージが届いたのである。大沢かたお、絶体絶命でござる。

辿ってみたところ、彼女たち(彼たち?)は「大沢たかおさんコミュニティ」で繋がっているグループらしく、私を発見し激怒していたらしい。その後、メッセージの嵐は1週間ほど続いたが、やがて苦情もなくなった。それからしばらくして、私はそっとユーザー名を変更したのだった……。

いま振り返ると「あんなに怒ることないじゃん」とも思うが、きっとファンの人たちは相当カチンと来たのだろう。あのとき私に突撃していた人たち、見ているだろうか? あの時は返信しなくてごめんなさい。ちなみに今は、関ジャニの横山くんに似ていると言われますが、それでも自分では大沢たかおだと思って生きています。

執筆:P.K.サンジュン
イラスト:マミヤ狂四郎

▼しつこいようだが、自分から名乗ったわけではありません。大沢たかおさん、大好きです。

▼ぬりえもあるぞ!