子供の頃、どんなアニメが好きだった? プリキュアやポケモンもそうだけど、『アンパンマン』を見ていたという人も多いだろう。
先日、そんなアンパンマンの歌をひさびさに聴く機会があったのだが……マジで泣けた。あれ、よーく知ってる歌なのに! ご存知の方も多いと思うが『アンパンマンたいそう』の歌は幼児番組にしては、あまりにも深い歌詞なのだ。
これは大人こそ聴くべき。つらいときに寄り添ってくれる素敵な言葉がギュッと詰まっているのである。
・『アンパンマンたいそう』に泣いた
この『アンパンマンたいそう』は、“いちにーさんッ、サンサン~”の方ではなく、“アンパンマンは君さ♪” の方である。90年代に登場、いまでもよく聴くエンディングテーマだ。
作詞のひとりは、原作者のやなせたかし先生なのだが、その歌詞の深さが異常! どれくらい深いかは歌詞を見ていただければ一発だが、例の音楽の著作権管理団体やら、ややこしい話になるので、ザックリした内容を伝えたい。
まず1番の歌い出しを説明するとこんな感じ。
「自信を失って、鬱々としてきたら、過去のいい思い出を思い起こそう。嫌なことは思わなくていいんだ」
──冒頭だけで泣けた。
・つらいときは無理しなくてもいい、と言われてる気がする
しんどいときは、後ろを振り返ってもいいんだ……。何かと「前向きに! 明るく!」あることが良しとされるこの社会。「困難には立ち向かうべし!」とも。
たしかに、つらさを表に出さず元気に振る舞うことは大事なことかもしれない。しかし、本当にくじけそうになときに無理矢理に前向きな自分を演じるだなんて、それは心の負担にしかならないだろう。
そんなときに『アンパンマンたいそう』は、そっと「つらいときは立ち止まっていいんだよ」「素敵な思い出を思い出して元気をもらおう」と、ささやいてくれる。誰かがそう言ってくれるだけで、フッと力が抜けて、心も休まるようだ。
・サビもいい
そして、サビの「アンパンマンは君さ」の部分。このアンパンマンは、アンパンマン個人を指すのではなく、きっと何かの象徴だ。アンパンマンといえば、ヒーローで、みんなが大好きで、必要とされていて……。
もしや「あなたも、誰かにとって “アンパンマンみたいな大好きな存在” なんですよ」と、言っているのではないか!? そんな気がする! そう考えると、アニメで、ばいきんまんさえ、歌詞に合わせて笑顔で踊っているのも納得だ。
「しんどいときは、ちょっと後ろを向いてもええんやで」
「誰かにないがしろにされても、必ず自分を大切に思ってくれる人がいるんやから、絶望しなくてええんやで」
──全私が泣いたーッ!
なお、1番の詳しい歌詞は動画「【おどってみよう】映画「それいけ!アンパンマン おもちゃの星のナンダとルンダ」/アンパンマンたいそう」で確認できるので、そちらをご覧いただければ幸いだ。
・まるで「やなせ先生が仕掛けた時限爆弾」
皆さんご存知のとおり、小さい子からのアンパンマン人気は異常だ。幼児のアンパンマン信奉の理由には諸説があるが、もしかしたら、知らず知らずのうちに、この深い意味を受け取っていたのかもしれない。……覚えてないけど。
幼少期にあんなに聴いていたのに、大人になってからジワジワ効いてくるなんて。『アンパンマンたいそう』は、まるでやなせ先生が、いつかは大人になる子供たちのために仕掛けた時限爆弾のようだ。先生、わたし、今日もアンパンマン見てがんばってるよーッ!
ちなみに『アンパンマンたいそう』には2番、3番と続きがあるのだが、2番の冒頭を説明するとこんな感じ。
「大切なことを忘れて、涙がこぼれそうになったら、愛する人と手をつなぎましょう」
再び、全私が泣いた。アンパンマン、深い。
参考リンク:YouTube
執筆:沢井メグ
Photo:Rocketnews24.
▼こちらが『アンパンマンたいそう』。心にしみわたります。
https://www.youtube.com/watch?v=qe_u__diYMc
▼きっと、みんなが誰かのアンパンマンだ! ……たぶん!!