松居一代さんが投下した「バイアグラ100ml男」ボム。爆弾以上に爆弾な発言が速攻でネットのトレンドワードになったことは前回の記事でお伝えした通りだが、投下から数日経った現在も、その衝撃はいまだに収まっていないと言えるだろう。

ただ……冷静に考えて「バイアグラ100ml男」という言葉は、船越英一郎さんにとって名誉毀損(めいよきそん)にならないのだろうか? そのへんの法律的なところを、“法律のプロ” に聞いてみたので報告したい。すごく丁寧に教えてくれたぞ。

・結論

今回、質問に答えてくれたのはアディーレ法律事務所に所属している吉岡達弥弁護士だ。その見解を、手っ取り早く結論からお伝えしよう。「バイアグラ100ml男」が名誉毀損になるのかというと……

「可能性がある」だ。もう一度言おう。「名誉毀損は成り立つ可能性がある」である。

以下で、その詳しい解説を掲載している。そもそも、名誉毀損はどういう状態で成り立つのかというと……

吉岡弁護士:「刑法230条1項の名誉棄損罪は、公然と事実を摘示することによって、人の社会的評価を害するおそれのある状態を生じさせることで成立します」

——“社会的評価を害するおそれ” ですか……

吉岡弁護士:「船越さんは、30年以上の俳優歴があり、長い期間をかけて俳優としての社会的評価を築き上げてきたといえます。今回の『バイアグラ100ml 男』という言葉が、どういう文脈で使われ、一般の人がどういうふうに受け取るかを考えて、名誉棄損になるか否かを考えなくてはいけません」

——なるほど、使われた背景等も考える必要があるということですね。今回の場合は……

吉岡弁護士:「まず、松居一代氏の ml(ミリリットル)は mg(ミリグラム)という意味で使っている前提で考えます。バイアグラはED治療薬として使われていますので、バイアグラを使用している事実はその人がEDであることと、その治療をしている事実を明らかにします。

そして、性生活については一般には知られたくないことといえますし、社会的評価に影響することと言えます」

——確かに、「自分の性生活は絶対に他人に知られたくない」と考える人がほとんどでしょうね。

・バイアグラ100ml の意味を考察

吉岡弁護士:「日本では、バイアグラは『25mg』か『50mg』しか承認されていないので、『100mg』は日本で承認されている限度の2倍です。『バイアグラ100ml男』は2倍の量のバイアグラを使用しているという意味になります。

2倍の量のバイアグラを使用しているという事実は、EDの程度が日本の承認限度の『50mg』では改善しないほど強いことを示すといえます。同時に、2倍の量を使用するということは通常の量では改善しないEDを改善して性行為を行うということで、強い性欲の持ち主であることを示すともいえます」

——なるほど……

吉岡弁護士:「また、不倫という渦中の中で『バイアグラ100ml 男』という言葉を使うことで、家庭を顧みずに性欲に走っている、倫理観が欠如しているという評価をされる可能性があります。

そして、『バイアグラ100mlを使用している』ではなく、『バイアグラ100ml 男』と呼び名をつけて示すことは、侮蔑の意味を込め、あだ名をつけて使用しているので、社会的評価を害する程度も高くなると考えられます。

これらのことから、松居氏の、『バイアグラ100ml 男』という言葉は、船越氏の何十年間もかけて築き上げてきた俳優としての社会的評価を害するおそれのある行為といえます。

テレビ局がいままで通り“船越氏をダンディな俳優として起用したい” とは思わなくなることが考えられますので、社会的評価を害するおそれがあります。それらを考えると、名誉棄損罪が成立する可能性があると言えるでしょう」

——以上である!

いかがだっただろうか。

繰り返すが、「松居一代さんの『バイアグラ100ml男』発言は名誉毀損が成立する可能性がある」とのことだ。この結果を考えると、松居一代さんの発言は後々に自分の首を締めることになる……のかもしれない。どちらにせよ、騒動が早く収束することを願うばかりだ。

協力:アディーレ法律事務所
Report:和才雄一郎
イラスト:Rocketnews24