私(佐藤)は、日ごろから人の役に立つ存在でありたいと願っている。自分のことはいい。「バカ」とか「クソ」とか「キモイ」とか仕事仲間に言われても、みんなが元気に明るく過ごせるなら、それでいいと思っている。特に、何かを成し遂げたい人の力になりたいのだ。
そういう心構えだから、「痩せたい」といっている人に、私は「そうだね、痩せた方がいいね」と言うようにしている。やる気を奮い立たせる意味で、そっと背中を押しているつもりなのだが、相手は「ひど~い!」と言って怒り出すことがしばしば。なぜなのか? 痩せたいんだろ? 今のままでいいと本気で思ってるのか?
・「痩せたい」と言っているだけ
かねてから思っていることだが、「痩せたい」と願う人はそれを口にして満足しているケースが多い。本当にダイエットをやる気がある人はすでに行動しているし、本気の人は「痩せたい」という願望を口にするのではなく、「痩せる」という意志を語るはずなのだ。
したがって、「痩せたい」とか「痩せないとなあ」なんて言ってる人は、『来週からダイエットやろう』、『来月からやろう』、『いつか始めよう』。その程度にしか考えてない。
・正直な意見を言っているだけ
「痩せたい」と言っている人は、鏡を見る度に思っている。自撮りをする度に思っている。痩せた方がいいと。しかし居心地の良い日常に流されている。たとえば、「自分へのご褒美」と称して甘いモノを食べたり、「今日はちょっと調子が悪い」と自らの甘えを許して、運動を始めるのを先延ばしにするなど。
自分でよくわかっているはずだ。痩せたいのに、その機会を自分で遠ざけていることを。
その甘えから遠ざけるために、私は正直な意見として「痩せた方がいいね」と言っている。だって、本人が「痩せたい」というのだから、それに同意してダイエットの後押しをしているに過ぎないのだ。それなのに……。
「ひど~い!」
という意味がわからない。心のなかで「why?」と叫んでしまう。
・「十分細いでしょ」、「全然太ってないよ」はウソ
私は何も痩せたくない人にまで「痩せた方がいい」という気はない。本人がいいと思う自分であることが、何よりも幸せだから。
だが、自分はこのままではいけないという人に、「十分細いでしょ」、「全然太ってないよ」などと言って、無意味な甘えを施す気はない。ウソは嫌いだ。無責任に人を甘やかすことは、よろしくないと私は思っている。
なぜ、正直に「痩せた方がいいね」というと怒られるのか。まったくナゾである。
執筆:佐藤英典
Photo:Rocketnews24