驚くほど硬度の高い食べ物として有名なのは、井村屋の「あずきバー」である。その硬さを打ち破るかき氷器を、タカラトミーが開発し、最近話題になっていたのは記憶に新しい。そのかき氷器によって、あずきバーの牙城は崩せたかもしれないが、さすがにこの食べ物を打ち破ることはできないだろう。
名古屋・大須の名物のひとつ「かたパン」である。その名の通りに硬い! 猛烈に硬い!! そのまま食べると歯が折れるんじゃないか!? と思うくらいカチカチだ。これはさすがのタカラトミーでも、削ることはできないだろう。
・九州にも堅パン
実はこの手の高硬度のパンは全国各地で販売されている。以前の記事で紹介した、北九州の「くろがね堅パン」もそのひとつである。
今回紹介するのは、名古屋市の大須にある『岩瀬パン』のかたパン(500円)である。お店は大須の待ち合わせスポットとして知られる、大須商店街ふれあい広場の巨大な招き猫像のすぐ近く。
「東仁王門通り」のネオンの真下だ。
・歴史を感じるお店
建物の外観はかなり年季が入っている。ざっと見た感じ、30~40年はここで生業を続けているのだろう。大須商店街のホームページを見ると、年中無休とのこと。いつから休みなくやっているのだろうか、まさか創業以来休みなしなのか……。
購入したのは当然かたパン。1袋に10枚程度入っている。500円が安いのか高いのかさえもわからない。とにかく購入して、カバンに入れて東京に持ち帰った。
・カバンのなかで割れていたのだが……
翌日カバンから取り出してみると……。
何枚か割れていた。かたパンというわりには、カバンに入れて移動しただけで割れるのか。大したことないな。そもそも形が割れやすく出来ているのかもしれない。硬いといってもさすがに限度があるよな。
そう思ってひとつとり出してみた。見た目はやはりパンというよりもクッキーのような感じ。2つ割りにして食べようと思ったら……。ッ!! 割れない! カチカチだ、カチカチ過ぎる!!
噛み砕こうと思ったら、歯がヤバいッ! 噛む角度を間違えると、確実に歯の方がやられそうだ。
・食べ方がある
少しずつ歯の端で削って行かないと、食べることができない。1枚食べるのに、どんだけ時間がかかるんだよ!? 私(佐藤)と当編集部のあひるねこで四苦八苦していると、中澤星児が意外なことを言い出した。
中澤「これね、うちのおばあちゃんがよく食わせてくれたんですよ。唾液で端から溶かして、ちょっとずつ食うもんなんすよ」
なるほど! たしかに歯が強くなければ、そのまま食うことは難しい。唾液で柔らかくしたら、ゆっくりだが確実に食える。ちなみにこのかたパン、1つ食べると不思議とまた食べたくなる。小腹を満たしたい時に もってこいだ。歯が弱い人はムリして食うなよ! マジで折れるぞ。
・今回訪問した店舗の情報
店名 岩瀬パン
住所 愛知県名古屋市中区大須3-43-6
営業時間 7:30~18:30
定休日 なし
参考リンク:大須商店街
Report:佐藤英典
Photo:Rocketnews24