突然だが、お聞きしたい。今まで足を運んだことがない新規の飲食店に入る際、あなたは何を基準にして「ココ!」と決めるだろうか? グルメ口コミサイトの評価? 外観から漂う雰囲気? メニュー? 知り合いから聞いた評判? ……恐らく、この辺りを参考にしている人がほとんどかと思う。

だがしかし! 今回はそれらを徹底的に無視。「グッとくるいい名前かどうかだけを判断基準として店を選んだらこうなったわ」というグルメレポ(?)をお届けしたい。では、一体どこの店なのかって? 発表しよう。紹介するお店は……東京・御徒町に店を構える中華料理店『珍満』だ!!

・名前だけで星3つ

珍満。その名前だけで星3つくらいあることに、多くの人は同意してくれることだろう。もし、ミシュランに “グッとくる店名部門” なんてものがあったら、毎年連続での掲載が約束されているお店、それが珍満だ。

見れば分かる通り、店名を構成している文字は珍&満。漢字の意味をそのまま解釈するならば、珍(レア)で満(サティスファイド)な店だということになる。

では、珍満は本当に珍満という名にふさわしい店なのだろうか? 珍ではあるが、満ではないとか、満ではあるものの、珍がイマイチとか、そんな中途半端だった場合は「店名に偽りアリ」と書くのも致し方なし! と、覚悟して扉をガラっと開けたら……!

チーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!

初っ端から“珍” パンチに襲われたのである! というのも、「今どき、こういう中華料理屋さんも珍しいわ」と思うほど、昔なつかしの大衆中華料理店だったのだ。さらに!! お店の名物である『餃子(500円)』をオーダー。

それを口に運ぶと……

マーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!

——皮の内側に、具がギュウギュウに詰まっとるやないか! これぞまさに「満」! それも大満だ!! 加えて言うならば、皮は柔らかい系……というのを通り越してフワフワ系で、まるで水餃子のよう。焼き餃子にしてこの食感は、“やや珍” とも言える。

・珍満づくしの珍満フルコース

他にも、焼きそば(600円)を頼んだのだが、これも “やや珍” 。なぜなら、味こそオーソドックスな “ザ・焼きそば” であるものの、麺はきしめんのような平打ちタイプだったのだ。

・アタリの店

ほかにもまだ珍満の珍満らしいポイントはいくつかあったが、キリがないのでこれくらいにしておこう。とにかく結論を言うと、珍満はその名に違わぬ店であった。珍にして満。満にして珍。珍と満の織りなすハーモニーが絶妙……早い話が「ウマかった」ということだ。

——そんなわけで、グルメサイトの口コミ評価ばかりを見て疲れている人は、私のように「グッと来る名前かどうか」だけで店を選んでみてはどうだろうか。もしかしたら、ラッキーな出会いがあるかもしれないぞ。

なお、言うまでもないことであるが念のために一応記載しておくと、珍満を出たときの私の気持ちは……もちろん「満」であった。

・今回ご紹介した飲食店の詳細データ

店名 珍満
住所 東京都台東区上野3-28-10
時間 11:30~23:00(L.O.22:30)

Report:和才雄一郎
Photo:RocketNews24.