三国志や水滸伝、そしてキングダムなど、数多くの歴史物語で親しまれている、中国。現在は、スマホやドローンなど、時代の先を行く先端機器の製造国としても、世界をリードしているのはご存知の通りだ。

今回は、そんな中国の電気街で買い集めたパーツだけで、iPhoneを丸ごと1台自作する、ある男性の動画「How I Made My Own iPhone – in China」をご紹介したい。特に、現地人のスマホに対する知識の豊富さは必見だ。

・Googleなどでエンジニアを務めた米国人が制作

世界最大級の電気街がある中国「深圳(しんせん)」でパーツを買い集め、ゼロからiPhone 6sを自作したのは、Googleなどでエンジニアを務めた経験を持つ米国人「Scotty Allen(スコッティー・アレン)」さんである。

・路上販売でもパーツの在庫が工場レベル

映像を見てまず驚くのが、販売されているパーツの膨大な品揃えだ。動画の序盤で路上販売の様子が確認できるのだが……iPhoneのボディが工場のごとく、大量すぎる在庫ではないか。

さらに見逃せないのは、店員の卓越した技術力である。タッチパネル液晶は入手困難と判断したアレンさんが、故障したモジュールから必要なパーツを取り外して組み合わせる、 “ニコイチ” の作業を修理業者に依頼したシーンを見ると……。

液晶とガラスを接着するプレス機や、真空状態を作り出しながら加熱して気泡を取り除くオーブンなど、専用機器を使って手際よくタッチパネル液晶を完成させてしまうのだから、凄いとしか言いようがない。

・公開から約4日で293万回以上もの再生回数を記録

その後、アレンさんは最終的に約2カ月間で、iPhone6s(16GB)を完成させたという。なお、かかった金額は、使用されている部品だけでみれば300ドル(約3万2000円)程度とのことだが、経費トータルは1000ドル(10万8000円)以上だという。

2017年4月17日現在、アップルオンラインストアでのiPhone6s(32GB)の価格は6万1800円。こうしてみるとアレンさんが組み上げたiPhone6sのコスパは決して良いとは言えないが、アレンさんにとってはきっとプライスレスな経験となったに違いない。

中国のスマホに対する意識の高さが分かるこの動画は、公開から約4日で293万回以上もの再生回数を記録しており、世界中で話題沸騰中だ。ぜひ中国の電気街に行ったつもりで、動画をご覧になってみてはいかがだろうか。

参照元:YouTube
執筆:K.ナガハシ

▼動画「How I Made My Own iPhone – in China」がこちら