今日から新年度、新入社員の皆さんは期待と不安に胸を躍らせていることだろう。こんなことをお伝えするのも、アレなんだが、考えているほど社会は甘くない。無力感に苛まれることもあるだろうし、「なんでそんなことを言われないといけないのか?」と憤ることもあるだろう。

イヤになることばっかりかもしれない。耐えられないと思うことだってあるだろう。そう感じたら、すぐにそんな会社は辞めてしまえばいいと思う。ただし、会社で感じた憤りや理不尽を超える厳しい現実が待っているから……。

・言われてできるならいい

以前の記事「新社会人が心がけるべき『先輩社員との上手な付き合い方』5連発!!」で、当編集部のサンジュンがとても役立つアドバイスをしている。

これを読んで、「そうか! なるほど、この通りにやればいいのか!!」と、素直に納得する人は、苦労がないと思う。正直、言われてできる人間ばかりではない。むしろ、私(佐藤)のように利発性に欠く人間は、「挨拶が大事」だとか、「わからないことを聞く」だとか、わかっていてもできないし、やる気もないのだ。できることなら、働きたくないくらいである。仕事が嫌いだ。

・年寄りがダメ役を作る

「最近の若者は、我慢ができない」とか言われるけど、そんなこと、何十年も何百年も前から言われ続けていることで、今年の新入社員にしたって、同じことを言われる運命にある。年寄りはそういうことを言って自己肯定感を強めているのだから、仕方がない。だから、新入社員は年寄りによって、『ダメ役』を担わされてしまう羽目にある。

・耐えられるなら、代わりができる

耐えられる人は、1年でも2年でも黙って耐えていればいい。年を経るごとに自分に代わるダメ役(新入社員)が入ってくるから、その後輩に向かって「俺も入った時は、叱られたもんだよ」と、過去の努力について語ればいいだろう。

しかし耐えられないという人は、すぐに辞めるべきだ。その会社でできる我慢に意味がないと思えば、すぐに辞めるべきである。時間のムダだから。

・やりたいことがあれば、まだいい

その代わり、会社を辞めた先には、会社にいた時とは比べものにならない苦労が待っているだろう。明確にやりたいことがあるなら、会社を辞めてそれに向かって突き進めばいい。メシが食えるほど稼げるのかどうかはわからないが、やりたいことで苦労するのなら、耐えられるかもしれない。

問題は、やりたいことがないのに会社を辞めてしまうことだ。ただ我慢ができないというだけで今の会社を辞めても、その先の職場で同じ問題が起きる。同じように我慢ができなくなる。耐えられる自分になるまで、ずっと同じ問題と向き合い続けることになるだろう。そのことを理解しているのなら、すぐに今の会社を辞めればいい。

・働き口が見つからない

何より問題は、働き口が見つかるかどうか。仕事を見つけることができるかどうかだ。無為に仕事を探し続けて、ろくに収入を得ることができず、超絶貧乏暮らしを続ける知り合いを、私は何人も知っている。

若いときに「我慢する」ということを学ばなかった人たちが、そのままオッサンになっていくのだ。そんな未来を想像できるのなら、今の会社を辞めてしまえ。甘ったるい夢や希望を抱いていたって、耐えられなければ何も形にならない。身にもならない。生活できなければ、夢を描くことさえもできないってことがわかっているのなら、「イヤになった」という理由だけで会社を辞めてもいいと思う。つまんねえことで負けんなよ!

執筆:佐藤英典
Photo:Rocketnews24