イラストは描かれた時代の流行がわかるだけでなく、文化も知ることができる。描かれているファッションやアイテムなどが懐かしかったり逆に新しかったり。特にイラスト集はその時代を集約したものも多いと思う。
そんなイラスト集なのだが、ひょんなことから40年以上前に発行された中国のものを手に入れたのでご紹介したい。日本の40年前と何が違うのかを見ていただきたい。
・1970年代の中国
1970年代の中国は文化大革命の真っ只中だ。毛沢東の文化大革命と言えば世界史で習った方もいることだろう。詳しい説明は省くが、中国が大混乱に陥ってしまった時代だ。その時代に多くの文化財や作品が破壊されてしまったので、そのころのアイテムはあまり残っていない。
今回手に入れたイラスト集は、私の妻が中国の骨董市で買ってきたものだ。1973年5月4日の「中国共産主義青年団」のスタンプが押されている。居住区の入り口などにある掲示板のお手本や宣伝に使うものとして発行されたのだと思われる。
プロパガンダ用のイラストと言ってしまえばそれで終わりなのだが、昨今の中国ではこの手のイラストが再評価されており、パロディも多く見られる。
・表情と字体がいい
「毛主席万歳」と「中国共産党万歳」から始まるイラスト集の前半は軍や戦争に関するものが多いのだが、次第に人々の生活を描いたものが現れる。
版画のような切り絵のようなタッチで描かれた人々の表情や当時のライフスタイル。そして共に添えられている文字のフォントがレトロな感じですばらしいのだ。
時代的にはちょっとアレな時代なのだが、このイラストは後世に残していくべきだと思う。イラストや絵を描いている人に届いて何かを感じていただけたら幸いである。
Report:麟閣
Photo:RocketNews24.
▼報頭図案集
▼1973年5月4日の「中国共産主義青年団」のスタンプ
▼「毛主席万歳」「中国共産党万歳」
▼最初は軍や戦いのイラストから
▼卓球選手など
▼生産や医療
▼生活には毛沢東語録が必須
▼子どもの表情がステキ
▼マスキングテープにして欲しい