・実際に聞いてみた
私の身に起きたあの症状は、一体何だったのか? イナビルの販売元である製薬会社「第一三共」に電話で問い合わせてみた。以下はその対話である。
──大人の「異常行動」について、前例はあるのでしょうか?
「イナビルを含む抗インフルエンザ薬の服用の有無にかかわらず、異常行動の発現は報告されています。ただ、基本的には未成年の方に起こることが多く、成人の方の発現については、はっきりとは把握しておりません」
──私は服用後にパニック状態になったのですが、そういったことはあり得る?
「そうですね、可能性は0ではないと思います」
──イナビルと異常行動に、因果関係はあるのでしょうか?
「はっきりとはしておりません。それらの因果関係についてはドクターや医療機関が判断することでして、当社でははっきりとした判断はしていないのです」
以上が回答である。やはり、明確な答えを得るのは難しいようだ。ただ単にインフルエンザから来る症状だったのかもしれないし、薬による何かしらの副作用だったのかもしれない。真相は神のみぞ知る、といったところか。
・あれは何だったのか?
あの体験は私にとって、恐怖以外の何ものでもなかった。しかし、丸1日寝込んで苦しんでいたのが、薬の服用後にスッと楽になったのは事実だ。原因については気になるところだが、すっかり元気になったことだけでも喜ぶべきなのかもしれない。