2017年1月に登場し、大きな話題を呼んでいる超ゴージャス夜行バス『ドリームスリーパー号』をご存じだろうか? 全席個室、運賃は「東京-大阪」間で2万円というから、新幹線のグリーン車より高い計算になる。
一般的には「夜行バスは安さが売り」とお考えの人が多いと思うが、バス会社は「需要はある」と強気だ。果たして新幹線のグリーン車以上の価値はあるのか? 実際にドリームスリーパー号に乗ってきたのでご覧いただきたい。
・全室個室
東京-大阪間を、8時間弱かけて運行するドリームスリーパー号。単純な移動時間だけならば新幹線の方が圧倒的に早いことは言うまでもない。しかもグリーン車より高いと来れば「誰が乗るんだよ?」と思ってしまうが、実際のところはどうなのだろうか?
バスが出発するのは池袋西口公園のバス停。ここから足柄サービスエリアで休憩を挟み、大阪シティエアターミナル(OCAT)に朝7時前に到着するのは一般的な夜行バスと変わらない。ドリームスリーパー号最大のセールスポイントは、「全室個室」そしてNASAが開発したという「ゼログラビティシート」である。
・まさかの土足厳禁
まず、バスに乗り込むと「靴をお脱ぎ下さい」と言われる……そう、土足厳禁なのだ。車内はカーペットが敷き詰められており、ちょっとしたホテルのような内装である。やだ……ちょっとテンション上がっちゃうじゃない……!
話題の個室は、かなりのゆったり仕様。バスとしてはもちろん、新幹線のグリーン車と比べても圧倒的に広い。設備も充実しており、USBポートやコンセントはもちろんのこと、ヘッドフォンや収納スペース、フリーWi-Fiや各種アメニティ、さらには空気清浄器まで設置されていた。
・NASA開発の「ゼログラビティシート」は……
目玉の「ゼログラビティシート」は、足がギリ真っ直ぐ伸ばせるほどのサイズ感。「寝返りをうつ必要がないシート」とのことだが、要するにフルフラットにはならず、体にフィットしつつ45度くらい倒れる……といった感じだ。
個人的には問題なく眠れたが、丸まったり横を向いて寝たい人などには向かないかもしれない。なお、荷物にならないならば寝る用に “スウェット” などのパジャマを持ち込むと最高だ。個室なので人の目は気にならないし、快適さが格段にアップするぞ。
・乗ってみた感想
今回、ドリームスリーパー号に乗ってみた率直な感想は……余裕でアリだ。そもそも前提として、新幹線のグリーン車と比べることが間違っていた。交通費が少々高くなっても「ゴージャスな気分を味わいたい!」という人は、きっと満足できることだろう。
その他、パウダールームやウォシュレット付きのトイレまであり、至れり尽くせりだったドリームスリーパー号。簡単に言えば「2万円でファーストクラス気分を味わえる夜行バス」といったところだろう。……まあ、ファーストクラス乗ったことないけどな。
参考リンク:ドリームスリーパー
Report:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.
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▼トイレもウォシュレット付き。
▼まさかの土足厳禁だった。
▼収納スペースもたっぷり。
▼USBポートやコンセントも当然のように付いている。
▼ゼログラビティシートは手元のコントローラーでオート操作。個人的には普通に眠れた。
▼ファーストクラス気分を味わいたい人にオススメだ。