最安値。この言葉に惹かれながらも、疑う者は多いだろう。大人になれば、「安さ」だけではなく、サービスを考慮した上で金額が見合っているかを重要視する。逆に言うと、安すぎたら「何かあるのでは?」と不安を感じてしまうものだ。

そんな「安さ」に対する先入観を捨て、今回は「最安値」だけで東京から京都への交通機関を選んでみた。新幹線とはケタが違う安さになったが、その内容はどうだったのか。良い点も悪い点も、正直に説明させてもらう。

・最安値の交通機関「夜行バス」

夜行バスはピンからキリまである。全体的に安く利用できるものが多いが、高いバスだとホテルのような内装で、1万円を超えるものも。

今回は、私が調べたときに最安値であった「東京から京都2200円」「京都から東京2000円」の夜行バスを利用し、往復の交通費は4200円となった。夜行バスを利用しない人は驚く値段だろうが、最安値で選べば5000円足らずで行けてしまう。それが夜行バスなのだ……!


・夜行バスのサービス

調べたときに最安値のバスは5つ程あり、今回は最もサービスが良さそうだった女性専用バスで予約した。もちろん男性でも利用可能な夜行バスが大半である。男女ともに乗れる夜行バスでも、バス会社が性別を考えて席を取ってくれることが多いので予約のときに確認するといい。

もちろん女性専用バスという点だけで選んだのではなく、他にもこのバスはサービスが充実していた。4列シートの一般的なバスであるが、コンセント付きで車内トイレを完備。簡易ではあったがフットレスもついていた。他にもブランケットの貸し出し、窓側か通路側かなどの座席指定を無料でやってくれ、体調や空調温度に問題があれば即時対処するとのことだった。


実際に利用してみて、サービスは良いと感じた。というのも、乗っている間バスの車内は消灯し、ほとんどの時間で睡眠を取れる。スマホや音を発する機器は禁止となっており、安心して睡眠をとれる環境を作ってくれれば、ほどほどのサービスで充分満足なのだ。サービスは各会社ごとに違うので、予約するときにちゃんと調べると良い。

ちなみに、アイマスクと耳栓と首まくらを持参したら、夜行バスでの睡眠がより快適になるぞ! 特に首まくらは体への負担が断然変わるのでオススメだ。


・唯一残念に感じた点

実は予約したときに日付を間違えてしまい、私はすぐにバス会社へ電話して日付の変更をお願いした。変更はしてくれたのだが、それに伴い事務手数料が発生すると言われ500円が追加でかかってしまった。

間違えてしまった自分が悪いから、事務手数料は仕方ない。しかし電話対応がイマイチで、変更がスムーズに進まなかった。たとえば、「変更内容をメールですぐに送る」と言われたのに翌日に届いたり、事務手数料の振り込みに関して度々電話がかかってきた。解決はしたものの、心配になるような点が多々見られたのでそこだけが残念であった。


・さらに安くなることも

最後に、価格について補足しておこう。私が予約したときは2000円が最安値だったが、数日前に調べたら1460円の日があった。同じバス会社で内容も同じだったので、予約状況や曜日などで価格が変動したのだと思われる。一方で休日だと値段が上がり、日によっては最安値が6200円からの日もあった。

これらを見る限り、最安値だからと見切るのはもったいないと思う。同じバス会社でも日によって値段が変わるだけのこともあるので、よく見極めることが重要だろう。


なお、東京〜京都間の新幹線価格をお伝えすると、私が調べた日の最安値が往復1万9500円だった。これは旅行会社の格安パックプランなので、いつも1万9500円で東京〜京都間を新幹線移動できるわけではない。とはいえこの格安料金でも、単純計算したら夜行バスの方が1万5300円もお得になる。

これをどう受け取るかはその人次第。だが折角の旅行なら、観光や美味しいものに1万5300円を使う方がお得ではないかと私は感じた。

参考リンク:バス比較ナビ
Report:mai
Photo:RocketNews24.